37．出陣について ページ40
薬研が大広間に続く襖を開ける。そこには、大きな机に二人分だけ食事が置いてあった。
恐らく、私は皆が食べる時間まで寝てたのだろう。けど、もう一人の分は…？
薬研「あぁ、流石に乱一人で食事をさせるのはどうかと思ってな。
燭台切の旦那に、残してもらったんだ。」
そう言いながら、食事の前に胡座をかいて座る薬研。
私も薬研の隣に座る。
『…何か、ありがとう。薬研だって、お腹すいてる筈なのに…』
薬研「いや、乱を一人ぼっちにするのはどうかと思ってな。」
そう言いながら、「いただきます」と言って食べ始める薬研。
私も目の前の食事を食べ始める。
お箸の持ち方は何故か分かっていた。
薬研「…なぁ、乱。出陣って、出来るか？」
『出陣…』
これも乱ちゃんから聞いた。
私達刀剣男士の、最低限の使命だと。
その内、私も戦うのだろう、と心の何処かで分かっていた。
そして…その時が来た。
まぁ別に、前世に人を殺めたりしてないから、大丈夫だろう。
『うん。でも、出来るかな…』
薬研「お、そうか。でも大丈夫だ、何かあれば皆が守ってくれるし、折らせもしない。」
そう言って、私の頭を撫でる薬研。
その手はとても暖かくて、優しく、始めて感じた体温だった。
＊＊＊
朝餉も食べ終わって暫くした頃、今日の近侍の清光が、出陣のめんばーについての紙を渡しに来てくれた。
隊長が清光、隊員が鶴丸、薬研、厚、秋田、私。
何とも言えないめんばーなのは、まぁ置いていて。
素人当然の奴に、剣の腕なんて期待するものじゃない。
増しては、鶴丸さんがいると言う事は…
『………』
このめんばーにした目的が、大体読めた気がする。
清光は今日の近侍だから。
他の短刀は、レベリング目的。
私は初出陣。
そして鶴丸さんは、私のもう一つの攻撃手段を見る為だろう。
だから、他の人達も、何かと私と喋れる人にしたはず。
暴走とかを止める為、かもしれないけど。
『…まぁ、もうそろそろかな。』
ここに来てまだ一日しか経ってないけど、どうせ秘密なんてばれる。
永遠に突き通せる、とは到底思ってもない。
まぁ、私は私なりに頑張るか。
『…まぁ、捨てられても、いいんだけどね。』
頑張ったって、私が紛い物なのは事実。
だから、そのまま置いていかれる、なんて事もあるかもしれない。
その時はその時だ。
どうせ死にもしない、なら堂々と生きよう。
そう思いながら、自分の本体を見つめた。
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは？むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは？ (2019年12月27日 2時) (
レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます！更新がんばってください！ (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→１４５センチ 薬研→１５３センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる？ (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年9月11日 23時
