33.大切な命 ページ36
薬研「……そうか。良い、それで良い。
…さて、風呂に入る…と言いたい所だが、乱は風呂を知らねぇんだよな?」
『…うん。』
話を反らされたが、まぁいい。
にしても、ふろ、かぁ…知らないなぁ、普通の人達なら入るのかな?
まぁ、神様も入るから、当たり前かな。
『薬研…一緒に入ろ?』
薬研「入っ…?!や、ダメだ、それだけは!!第一、乱は女で、俺は男なんだぞ?!」
顔を真っ赤にして、噛みそうになりながら言う薬研。
入りながら、色々と教えて貰いたかったんだけど……
今は仮にも兄弟じゃん、別に性別なんて関係ないでしょう?そもそも、私性別の違い、よく分かってないんだよねぇ…
『…ダメなの?異性だから?……私が、駄目な子だから、なの?』
薬研「っ違う、そういう事じゃないんだ!」
何が違うの…皆、どうせ私を嫌うんでしょう?
私の秘密をばらした時、きっと私を軽蔑するんでしょう?
何が違うって言うの?
『……じゃあいいよ。ごめんね、変な事言って。風呂もなしでいいから、寝てくるね。』
薬研「ま、待ってくれ乱…!!」
涙を見せない様に、扉を開けて、すぐ閉める。
閉じた扉にもたれて、私は静かに涙を流す。
嗚呼…馬鹿みたいな事をした。こんな私、愛される訳ないのに。
短刀達と話せて、打刀の一部とも仲良くなって、いち兄とも…きちんと、兄弟としてっ…!
『…嗚呼、しまったなぁ……』
そう言えば、私って″乱藤四郎″じゃないじゃんか。
形がどうであれ、私は中身は人間だ。
薬研も分かってたから、きちんと理解してくれると思ってた。
燭台切さんと言う味方もついてくれたから、平気だと思ってた。
けど、違う。
それはただ、自惚れていただけだった。
飲もうとする涙が、溢れ出て止まらない。
『………』
…駄目だ。
せっかく神様がくれた命だ。
何て馬鹿な考えをしたんだ、私は。
『…きちんと、それ位の…感謝をしなくちゃ。』
出来るとは思わない。
けど、私なりに頑張ってみよう。
***
薬研藤四郎side
嗚呼…俺っちは、馬鹿だ。
性別の違いで乱を離してしまった。
…俺っちから近付いたのに、何でこんな事をしたんだ。
扉から乱の影がはっきり見える。
乱もきっと、泣いているのだろう。
薬研「……しばらくは…他の奴らに任せるか。」
ごめんな、いち兄。ちと休憩させてくれよ。
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時