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さっきから思ってたんだけどさ。
なんかとげとげしくない…!?

え、もしかして人違い?

こんな雰囲気の人じゃなかったよね。

なんかこう…、もっと柔らかくて、爽やかな人だったはず。

一人称も「俺」じゃなくて「僕」だった。

…んん?


「あ、あの…」

「ん?」

「今朝ハンカチを拾ってくれた人、ですよね...?」


…勇気をだして、そう尋ねてみたものの。

本当に身に覚えがないとでもいうように、
こてん、と首をかしげる彼。

…え、ちょ、嘘でしよ。


「…そんなことあったっけ?ごめん、覚えてないや」


と、あっけらかんと言ってのけた。


「…え」

「え?」


え?って。
私が言いたいってば。

…な、なんなのこの人。

人違い…ってわけではなさそうだし。
だって、顔が全く一緒だもん。

ちゃんと見てたもん、私。

…は、じゃあ本当に覚えてないわけ?


「覚えてないんですか…?」

「うん。いろんな人に話しかけられすぎて覚えてない」


…なるほど。

彼にとって私は、そのいろんな人の一人でしかなかったわけだ。

えっ、彼を大勢で囲むんじゃなくて、一対一で話したのに?

ちょっとまって。
私結構ひどいこと言われてない?

あーもう、なんか怒り通り越して悲しくなってきた。


「…そんな、ひどい」


思わず口を出た私の言葉に、
なぜか彼はぎょっとしたように目を丸くして。


「…まさか、本当に覚えてないとでも思ってる?」

「え?」


ちょ、一体何を言っているのこの人は。

もうだめだ、そろそろ脳内パンクしそう…!!


「さすがに一番最初にあった出来事だし。覚えてないとかバカにしてるでしょ」

「…はあっ!?」


ちょー失礼で身勝手…!!意地悪すぎ....!

意地悪っていうか、完全に私のことバカにしてるよね。

…え、出会ってまだ初日だよ?
なのにこんな扱い受けてるって、私結構かわいそうじゃない?

さっききゅんってしたの、返してほしいんだけど。


「えっと、もっと爽やかな雰囲気だった気がするんですど…」

「ああ、それは俺が学校では猫かぶってるからだね」

「じゃあ、今のが本性ってこと…?」

「よく分かったね、そういうこと」


やっぱりバカにされてる気がする…。

じとっとした目で彼を見つめると、
彼は不思議そうに首をかしげた。

…うっ、あざと...。

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作者名:るる | 作成日時:2026年3月14日 0時

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