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だから、少し…いや、だいぶ離れた位置で、
私たちはお弁当を食べる羽目になってしまった。
…いや、予想はしてたけどさ。
「三人でお弁当を食べるときとか、私ほとんど一人だよ。何も話せない」
「ふは…っ、なんか想像できる」
手の甲で軽く口を隠しながら、藤永くんは子供っぽく笑う。
その表情に、なぜだか胸がとくん、と音を立てた。
...っ、え。
思わず、自分の胸を両手でおさえる。
な、なにこれ…。
そんな私を見て、藤永くんはこてん、と首をかしげた。
「ん?どうしたの、Aさん」
「あ、いや、別に…っ」
「ふーん。ならいいけど」
藤永くんを前にすると、時々自分が分からなくなる。
…中学の頃とか、男子とあまり関わってこなかったしなぁ。
ちゃんと話をしたのは、多分藤永くんだけだ。
でも、いつもモカと一緒にだったから、
一対一で話すことはもう当分していない。
…から、ちょっと緊張しちゃうのかも…。
「あっ、Aさんの弁当からあげ入ってる。もらっちゃお」
「あ…!!勝手に取らないで…!」
私もからあげ好きだから、あとで食べようと思ったのに…!
許可もとらずに勝手に取るなんて、意地悪.....。
まあ、もう一個あるし、いっか。
「あっ、やっぱうまい!これ、昨日のやつでしょ?」
「そう、だけど…」
このからあげは、昨日の夜ごはんの残りだ。
つまり、藤永くんも一緒に食べたやつ。
「もう一個も食べていい?」
「だ、ダメだよ…!!これは、私が食べるのっ」
「おおっ、食い意地すげえな」
「そんなんじゃないから…!」
なんなの、もうっ。
食い意地って......。
そっちの方が食い意地張ってるでしょ。
だって、藤永くんのお昼は。
今手に持っているメロンパンと、
それから地面に置いてあるクロワッサンふたつ。
おまけに、紙のジュースも置いてある。
それなのに、私のからあげまで食べるんでしょ。
男の子ってすごいな…。
こんなにたくさん食べるんだ。
私はそんなに食べる方じゃないからなあ。
なんて思いながら、私もお弁当を食べ進める。
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作者名:るる | 作成日時:2026年3月14日 0時


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