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それから二人で、マンションまで歩いた。
「な、なにもないけど、入って…!」
「お邪魔しまーす」
男の子を家に入れるとか、初めてだから緊する…!!
そんな私の気持ちとは反対に、
藤永くんはいつも通りの顔で家に入ってくる。
なんか調子狂う…っ!
「そこ、座ってて。急いで作っちゃうね…!」
キッチンの前にあるテーブルを指さす。
藤永くんは「おっけー」と、気の抜けた返事をして、
そばの椅子に腰かけた。
えっと、何にしようかな…?
できれば万人受けするものがいいよね。
それなら、ちょうどひき肉もあるし、
無難にハンバーグとか?ハンバーグなら作り慣れてるしね。
手際よく包丁で野菜を切り刻んでいたとき、
「Aさん」と藤永くんが私を呼ぶ声がした。
「どうしたの?」
「いやー、ふと思ったんだけどさ」
そう言って、藤永くんはにやりと笑う。い、嫌な予感...。
「Aさんって、結構世話焼きだよね」
「は…?」
「お人好しっていうかさ」
せ、世話焼き...。お人好し…。
結構な大ダメージくらったよ今…。
なのに藤永くんは、そんな私を気にするそぶりもなく、
さらに言葉を続ける。
「だってお隣さんの飯が、カップラーメンだって分かったからってさ。一緒に飯食べるって発想にはなかなかならなくい?」
「え、な、ならないの…?」
「ならないだろ普通」
そ、そうなんだ…。
健康的な食事をしてもらうには、
これしかないと思ったんだけどな。
他にもっといい方法あったのかな…?
「ちゃんと栄養取ってほしいとか、お人好しだなって」
「からかわないで…!」
「ふはっ、そんなすぐにムキになるなよ」
「なってない…!」
藤永くんは私の反応に、けらけら笑ってる。何なのもう…!
それからぱぱっとハンバーグを作り終えて。
お皿に盛りつけたそれを、藤永くんのもとに持っていく。
「あの、お口に合わなかったらごめんね」
「いただきます」と同時に手を合わせる。
するとすぐに、藤永くんはハンバーグを口に持って行って。
...どうしよう、緊張して食べられない…!
どくどく、と心臓が音をたてるのを感じながら、
藤永くんを見つめる。
ぱく、とハンバーグを口に入れた藤永くんは、瞳を徐々に大きくさせて。
「うま…!Aさんすげー」
目を輝かせながらそういうから、一気に体の力が抜けた。
よ、よかった…。
「ありがとう…」
私もハンバーグをほおばる。
あっ、今日のは上手にできたかも。
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作者名:るる | 作成日時:2026年3月14日 0時


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