ツンデレーションギャップ tk*in

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「これ、おんなじ指輪つけてたら結婚してるみたいでいいなぁって思って」

「……」

「…ずっと欲しいなって思ってたけど俺、素直じゃないから言えなかったの。…そしたら丁度俺の誕生日近かったから、それを口実に�睫擇砲�願いしようと思って…」


酔った勢いでじぶんの胸の内をペラペラと話してくれた伊野尾くん。



……あまりの可愛さに失神しかけた。




「…伊野尾くんの誕生日なのに…どうしよ、俺がめちゃくちゃ嬉しい…」

「えへへ、お揃いだねぇ」



嬉しそうに足をパタパタさせて子供みたいに喜んでいる横顔に抱きついて、そのままソファに倒れ込むとキスをたくさんした。

何度も角度を変えて、甘いキスを繰り返し

伊野尾くんの息があがってきたから顔を離すと、指輪を嵌めた綺麗な指が目に入って

その手を引き寄せて、手の甲にもキスを落とした。



「た、かき…」

「…愛してるよ、伊野尾くん」



涙目の伊野尾くんがぎゅっと俺の背中に手を回してしがみついて、ふるふると震える。



「俺も…大好き」

「うん」

「あ、いしてる…」

「ふは、嬉しい」



伊野尾くんの背中を抱え込んで体を起こし、もう一度触れるだけのキスをすると

目を細めてはにかんだ笑顔を見せてくれて、その愛おしさで胸がいっぱいになった。









「………」

「おはよう！伊野尾くん！」


朝、のそっとベットから起き上がった伊野尾くんは俺の指をじーっと見つめている。
昨日のはにかんだ笑顔とは正反対の死んだ魚のような目で。



「……それ」

「あ、覚えてない？伊野尾くん酔ってたもんね」

「…俺、なんて…」

「ん？俺に指輪くれて、お揃いだと結婚してるみたいでいいよねって言ってたよ」



ガクッ、と肩を落とした伊野尾くんは耳が真っ赤になっていた。
大丈夫？と顔を覗き込もうとすると急に胸ぐらを掴まれて、そのまま引き寄せられる。



「忘れろ」

「え？」

「昨日の全部忘れろー！！じゃないとここでお前のことコロス！！」

「おぉ…」


多少は反動が来るだろうなとは思っていたけどここまでとは…。
顔を真っ赤にしてパッと俺から離れるとベットの隅っこに体操座りをして小さくうずくまってしまった。




「俺、嬉しかったよ。結婚してるみたいでいいね、ってやつ」



改めて言うな、と膝に顔を埋めながらこもった声で呟く伊野尾くん。
後ろから抱きしめると思いっきり肘でどつかれてそこそこ痛かったけど、可愛いからなんでもありだな、もう。

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