もう１回してくれない？ ページ36
「ちなみに俺は運悪く撃沈してしまってね…」
「え…大ちゃん彼女と別れたの？」
「うーん、俺なりには頑張ったけどなんかダメだった」
そう言って大ちゃんは立ちあがると「いのちゃんは違うでしょ？これから始まるんでしょ？」と満面の笑みを浮かべた。
「可哀想な大ちゃんにこれをあげよう。俺の奢りだから、有難く飲みたまえ」
「いや、これさっきそこでスタッフさんが配ってたやつじゃん」
大ちゃんも辛いんだろうけど、相談に乗ったりするよりもいつも通りに接するのが正解だと思った。
大ちゃんには何でも言えるし、大ちゃんも俺には何でも言ってくれる、その関係性が嬉しくて顔が綻んだ。
いつか、実は俺むかし大ちゃんの事好きだった時期あるんだ〜なんて笑い話で言える時が来るかな。
「ありがとね」
「いーえ！あ、いのちゃんの彼氏だ」
コーヒーを苦ぇ…と言いながらすする大ちゃんがドアの方に目をやる。
知念と話しながら部屋に戻ってきて、俺に気が付くと静かに笑みを浮かべた。
…今から山田も少し空き時間があったはず。
俺は真っ直ぐ彼の方に歩いていった。
「やまだ、おつかれ」
「伊野尾ちゃん、お疲れ様！」
「…あっち、行こ？」
え？と驚く山田の腕を引いて部屋を出た。
今は使われていない会議室へと連れ込む。
「伊野尾ちゃん？」
「やまだ、お願いがあるんだけど」
俺がそう言うと、今度は何作ってほしいの？と優しく笑っている。
今までの俺のお願いって「今日はあれが食いたい〜」とかそんなんばっかりだったから自然とそう思ったのだろう。
…でも、今回は違うから。
「キス…してくんない？」
顔をろくに見ないで、うつむきながら言った。
あまりに急な言葉に完全にフリーズしている山田は口をぱくぱくさせている。
「え、ええ！？伊野尾ちゃん急にどうしたの？」
「…急じゃないし。お前、覚えてないだろうけどこの前の酔っぱらった時に俺にキスしてきたから」
「……えええええ！？」
やまだは耳まで真っ赤にして、パニック状態。
まじで！？とか嘘！？とか繰り返して、その場をうろうろしている。
「ご、ごめん！手出さないって約束してたのに！」
「それは別にもういい…」
論点がズレそうになってるから。
俺は大慌てする山田の衣装の裾を掴んだ。
「…だから、もう１回してって言ってるんだけど」
…確かめたくなったんだ。
もう１回してしまえば、この感情の意味が分かる気がした。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません！supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします！笑 (2020年4月3日 9時) (
レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん！そんな風に言って頂けて嬉しいです！続編ですか〜〜笑 検討してみます！！笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです！もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです！笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます！感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです！苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：supika
| 作成日時：2020年2月12日 23時
