好奇心の勝利 ページ27
「ん〜!うまいっ!」
「よかった!美味しいよね、ここの料理」
山田が連れてきてくれたのは安い割に、料理の種類も多くて何より美味しい、本当に俺好みのお店だった。
個室で山田と向かい合って座り、たくさん頼んだ料理をちびちびと食べる。
家からも近いから少々お酒も頼んだけど、俺は前の事を反省してちょっと控えめ。
…てか、山田が酔った所とか見た事ないなぁ。
平然とした顔で酒飲んでるけど。
ちょっと見てみたいな、なんてイタズラ心に火がついた。
「山田〜、俺このお酒あんま好きじゃなかった〜ちょっと飲んでみて」
「んー?…普通に美味しいよ」
「じゃあ、あげる!」
俺の心の中の悪魔が計画通り…とお腹を抱えてケタケタ笑っている。
さり気なく次々お酒を勧めていき、山田は順調に酔っていった。
「い〜の〜お〜ちゃん!俺帰りたくないよぉ〜!」
「あははー、帰るよ〜」
「嫌だぁ〜!まだ伊野尾ちゃんと一緒にいるもん!」
「家一緒だから帰っても一緒にいれるでしょーが」
…すみません、今の無かった事にしてもらってもいいですかね?
好奇心から山田を酔わせてみたはいいものの、めんどくさくなってきた…。
いつもはスマートにタクシー呼んでお会計してくれる山田だけど、酔ってるからか帰りたくないモードで、全然ここから動こうとしないんですけど。
「やまだぁ、いつものやまだに戻ってよぉ…」
…まぁ、俺が仕組んだんだから最後まで責任を持って面倒見よう。
ポッケからスマホを取り出してタクシーを呼び、先にお会計を済ませた。
「おっも…」
山田を抱えてタクシーまで運ぶだけでも貧弱な俺には重労働だった。
後部座席にぽんっと山田を放り投げて、ゼェハァいいながら家の住所を運転手に伝える。
…安心しきって寝ている山田の寝顔はそれはそれは美しかった。
思わずパシャと1枚写メを撮る、後で本人に見せてやろ…消せ!って顔真っ赤にして怒るだろーな。
クスッと笑みが零れた。
マンションについて山田を引きずりながらなんとか部屋まで辿り着いた。
とりあえずソファに寝かせて俺もひと休み。
ぼけーっとしてると、しばらくして急に山田は起き上がった。
「……あ、おはよ、やまだ」
「伊野尾ちゃん」
「ん、水でも飲む?」
山田のために水でも持ってきてやるか、優しいなぁ、俺、なんて考えながら立ち上がろうとした時だった。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時