来年の約束 ページ19
「ぬぅおおおお!!!」
全速力でマンションの廊下を駆け抜けた。
撮影が思ったほど長引かず、早く帰れたのだ。
伊野尾ちゃんと少しだけ一緒にクリスマスを過ごせる!そんな淡い期待を抱きながら家のドアを勢いよく開けた。
「たっ、ただいまー!!」
俺のテンションとは裏腹にしーんとした部屋。
まさか…と思いながらリビングまで行くと…
伊野尾ちゃんは気持ちよさそうにソファですやすやと寝ていた。
で、ですよねー…。
ガクッと肩を落として寝ている伊野尾ちゃんに近づく。
多分服着替えてないからこれは寝落ちだ。
ベットまで運んであげた方が良さそうだなぁ。
「…あれ?」
ふと、目に入ったテーブルの上には俺が朝作ったチキンとケーキと、他の料理も並べられていた。
…伊野尾ちゃん、食欲無かったのかな。
俺がとりあえずケーキだけでも冷蔵庫に入れておこうと持ち上げようとした瞬間、寝ていた伊野尾ちゃんの目がバチッと開く。
そのまま勢いよく飛び起きて辺りを見渡し、俺と目が合った。
「うわっ、ビックリした…」
「……あ、山田おかえり」
寝ぼけながらぼけーと俺の目を見ている。
なんだ??
「…山田が、クリスマス一緒にしようっていうから…待ってた。そしたら寝てた…」
「え!?伊野尾ちゃん待っててくれたの!?だからご飯も食べてないの?」
こくん、と頷くと腹減った、早く食おう、とソファーから降りて料理をじっと見ている。
ねぇ…なんでそんな可愛い事するかなぁ…。
「伊野尾ちゃん…ありがとう…!」
「別に…約束したし」
感動で泣きそうなんですけど!
お腹を空かせた伊野尾ちゃんは早く〜と急かしてきた。
「美味しい!こんな本格的なケーキ作れるなんてやっぱ山田すごいよなぁ〜」
「伊野尾ちゃんのためだったら何でも作るよ、じゃんじゃんリクエストして?」
「え〜じゃあ来年はブッシュドノエルで」
来年、なんて特に意味なんてなく言ったんだろうけど、そんなひとことが俺にとってはすごく嬉しかった。
ケーキまで食べ終わると俺は隣の部屋に置いていた紙袋を手に取った。
…クリスマスプレゼント。
喜んでくれるといいな。
「伊野尾ちゃん、これ…」
緊張しながら紙袋を差し出すと、伊野尾ちゃんはキョトンとした表情でプレゼントを受け取った。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時