Lv.99 ページ8
私の左手の薬指にはいつの間にかおもちゃの指輪がはめられていた。……手を繋いだ時に？気づかなかった….。
貴「……仁王さん。」
私は試されているんだろうか。仁王さんはいつだって卑怯だ。こんなことされて……動揺しないはずがない。
仁「A」
花火の音が聞こえる。なのにこんなにも仁王さんの声が、私の名前を呼ぶ声が、はっきりと聞こえる。
・
・
仁「＿＿＿＿好きだ、A。
いつかおまんの指に本物の指輪をはめさせてくれんか」
一筋の花火が頂上で開花する。それに連なった色とりどりの花火が、見つめあった瞳に映って美しい光景だと、そう感じられた。
その感動も一瞬。
……ねぇ、仁王さん。それ、もしかして、
貴「こんなに嬉しい日は、もうないかも知れませんね……」
私は目を瞑って深呼吸した。
・
貴「＿＿＿＿私も、好きです。仁王さん」
息が出来なくなった。
キスを、されている。
貴「んっ、…ちょっ…にお、」
苦しい。私にとってのファーストキス。
私の奥深くまで入ってきたソレは、私の腰をくだけさせる。
仁王さんは私を支えながらもキスをし続けた。
貴「はぁっ……！…っ、あっ…」
苦しい
誰かたすけて
なけなしの理性で仁王さんの胸板を叩いてみても効果はない。
私は
仁王さんの
舌を噛んだ。
仁「ッ！？」
仁王さんと体が離れて私はぺたりと座り込み、なんとか息を整える。
貴「…………仁王さん、きらいです」
仁「……すまんかった…！」
仁王さんが真剣に謝ってきた。
貴「…嘘です。きらいじゃないです。
私、リアルの恋愛は初めてですから、経験豊富な仁王さんだと物足りないかもしれないですね」
仁「……いや、俺も初めてじゃき。」
……え？あんなにモテるのに？嘘でしょ？？？
仁「嘘はつかん。確かに告白はされるんじゃが、付き合ったことは一度もないぜよ。」
そうだったんだ……。でもなんであんなに…キスが上手いんだ……。すごい手馴れてる感じがしたんだけど…。
仁「……心配せんでも俺はA以外とそういうコトをするつもりはなか。その指輪に誓って」
指輪は花火の光に照らされ、キラキラと輝いていてきれいだった。
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かるぴん(プロフ) - 面白くて一気読みしました！ (2021年4月20日 19時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月28日 20時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
たかみん(プロフ) - 続編来たー！続き楽しみにしてます！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 97bce99ed8 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 続編おめでとうございます！！まさかの推しルートでワクワクが五割増しです笑笑これからも応援してます！ (2019年8月26日 1時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらの | 作成日時：2019年8月24日 21時
