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現在 side you ページ36








____あれから10年の月日が流れた







私は会社員、精市はプロのテニス選手として活躍している。


精市が用意してくれたマンションに、私はありがたくも同棲しているのだ。



でも精市は最近、テニスの練習が忙しく家に帰ってくることが減った。


むしろ、テレビで精市の活躍をみることの方が多くなっている。





……正直言えば、ちょっとだけ不満。





精市がテニスを頑張ってるのは中学校の時からだったし、私も当然応援している。



『私とテニス、どっちが大切なの?』……なんて精市の夢の妨げになるような発言をする気は毛頭ない。





……でもね、やっぱり……寂しいなぁ。





ぼんやりと見ていたスマホのニュースに私は驚いた。





【プロテニス選手の幸村精市が美女と密談!?】





サァー、と血の気が引いていくのを感じた。

無心でそのニュースを読んでいく。





【幸村精市選手が大事な世界大会を控える中、美女と密談をしていたことが発覚。その日、練習はフリーであった。】





盗撮されたのであろう精市の姿と、スーツを来た美女。


写真の中の二人は幸せそうな顔をしている。


特に精市は照れているような表情だ。





……とっても、お似合いだね。






不意に玄関で扉が開く音がした。






「ただいま」






家に帰って来る時は必ず事前に連絡してくれる精市が、今日はしてくれなかったので予想だにしない訪問だった。



……嫌だなぁ、今会いたくないのに。


こんな酷い顔で精市と会わなくちゃいけないの?






『……おかえり』



「……どうしたの?元気がないみたいだけど…」



『……なんでもない。今日帰ってくるとは思わなくて、夕食の準備をしてなかったんだ。』



「うん、だからあえて連絡しなかったよ。今日は二人で外食するつもりだったから」






行こう、と私の手を繋いでマンションを出る。


精市が車を運転し、私は無言で助手席から窓の外を眺めていた。





「……気分悪い?病院行く?」




『大丈夫』





なら、いいんだけど……と私を心配する素振りは演技なのかもしれない。





精市は優しいから、


私のことを切り捨てられないんだ。





……でも、多分



それも今日で最後




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設定タグ:テニスの王子様 , テニプリ , 幸村精市   
作品ジャンル:恋愛
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アマリス(プロフ) - はあー・・・。良かった!プロポーズか・・・。別れなくて良かった。疑ってごめんなさい、幸村君!夢主とお幸せに! (2019年10月31日 15時) (レス) id: 9443474794 (このIDを非表示/違反報告)
アマリス(プロフ) - シリアス過ぎる・・・。幸村と夢主が別れるなんて嫌!!ダメ、別れないで!! (2019年10月30日 9時) (レス) id: 9443474794 (このIDを非表示/違反報告)
Le-ca(プロフ) - スッゴく面白いです!ゆっきーと立海推しだから楽しい!それに、文章力とタイトル、語彙力に話の進め方が最高。シリアスありつつ、硬くなったり飽きないから大好きです!これからも頑張って下さい! (2019年9月29日 20時) (レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そらの | 作成日時:2019年9月23日 16時

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