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「今から進路希望のプリント配るが皆！！！
だいたいヒーロー科志望だよね」
そう先生が言った瞬間、皆は個性を発動させて「ハーイ」と返事をする。
その中で私は頬杖をつきながら静かに欠伸をする。
今は超常現象下社会。
だから、パッとしないモブ共が調子づいてヒーローなんて職に群がる。
まるで餌を与えた豚のように。
まぁ、斯く言う私もヒーロー科志望なんだけど。
ただでさえ蒸し暑い中、それをさらに加速させるような発言が耳に届く。
「せんせぇー！！"皆"とか一緒くたにすんなよ！俺はこんな没個性共と仲良く底辺なんざ行かねーーよ」
勝己だ。
普通、姉弟ってクラス別れるものなんじゃないの？
勝己は周りからのブーイングの嵐を受ける。
「あー…確か爆豪は"雄英高"志望だったよな」
なんて言う先生の発言で、周りが更にうるさくなった。
オールマイトを超えるなんていう夢物語をつらつらと並べる勝己に、そういえば…と、思い出したように先生は口を開く。
「そういやあ緑谷も雄英志望だったよな」
その瞬間緑谷に視線が集まる。
「はぁぁあ？緑谷？無理っしょ！」
「勉強出来るだけじゃ雄英は浮かれねぇんだぜー！？」
「そっ…そんな規定もう無いよ！前例が無いだけで…」
飛び交う罵声に緑谷がそう反論したせいで、…馬鹿弟、勝己の限界がきたようだ。
「こらデク！！」
「どわっ！？」
個性を使って緑谷を吹き飛ばした勝己は追い打ちをかけるように口を開く。
「"没個性"どころか"無個性"なテメェがぁ、
何で俺と同じ土俵に立てるんだ！！？」
「待っ…違う、待ってかっちゃん…別に張り合おうとかそんなの全然！……でも、やってみないとわかんないし…」
「なァにがやってみないとだ！！記念受験か！！テメェが何をやれるんだ！？」
ほんと、馬鹿らしい。
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作者名：白兎 | 作成日時：2019年2月25日 7時
