何故か私の部屋に男物のおぱんつが落ちてたんですがそれは【轟焦凍】 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:160,200 hit

11 ページ11

『…爆豪くんて実はストーカー気質だよね』

「ああ"！？誰がストーカー気質だテメェ！！」

ボソっと呟いた言葉に過剰に反応してくれる爆豪くんに笑みを零す。

『ふ…ふふ…あはは…っ』

「何笑ってやがる！！」

そんな怒鳴り声を上げるから余計に。

『ふ…ふふ…！っはは…ごめ、ふふ…あはは！』

ひとしきり声を上げて笑ってから、私は爆豪くんに顔を向ける。

『本当になんにもないよ、爆豪くんは考えすぎー！ね？』

怪しまれないように、出来るだけ自然に笑う。

そんな笑顔で爆豪くんをじっと見詰めていると、「……そーかよ」と納得いかなそうに私から目を逸らす。

「………今のとこ、下着野郎の情報はねぇ」

爆豪くんはそう言い残して私の部屋を出ていった。

…

爆豪くんが出ていった後、私は壁にもたれ掛かった。

そのまま力無くその場に座り込んで体を丸める。

『………っ』

急にポロポロと零れだす涙に自分自身が驚く。

『っぐ……うぅ…っ』

嗚咽も止まらなくなっていって、堰切ったように溢れる涙で視界が歪む。

泣いてる、なんで泣いてるの。

悲劇のヒロイン気取りかよ私。

そんな自分大嫌いだよ。

だから、

涙なんか出ないでよ。

『今更涙なんか出てくれるなよぉ……っ』

拭っても拭っても止まらない涙。

『しょーとっ……っ…私何かしたぁっ……？浮気するほど私が嫌い…っ？？ねぇっ…！！』

返ってくるはずも無い返事。

虚しく自分の声が部屋で反響する。

『もう…やだよ…。嫌いなら嫌いって言ってよ…っ！なんで！？焦凍じゃんか、浮気してんのっ！っぐ…っ…、あほ！ばか！まぬけ……っ………』

嗚咽が酷くなって咳き込む。

『っふ……ぅ…、しょーとぉ……っ！』

そんな縋るような声は、もちろん誰にも届かない。

"愛してるよ"

そんな優しい言葉、私はかけてもらったことなんかない。

あんな優しい声で

私には喋りかけてもくれない。

あの時見せた優しい笑顔で笑いかけてはくれない。

『っ寂しいよぉ…焦凍』

無意識に零れたそんな言葉に、また涙が零れた。