アイノユウヒ2〜family Love〜

慧side ページ11

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今日は土曜日

外は生憎の雨。


午前中はずっと勉強をしていて、気づいたらお昼
午後は少しのんびりしようかな？


でも大ちゃんは居ないからゲームはできない

なんで居ないかって？

大ちゃんは、補習に呼ばれました。


宏太は仕事でしょ？

それに今日は珍しく光が会社に行ってるのでいない


もう12時半

腹減ったよ〜

涼介〜



ガチャ


涼「ただいまー」



あ！帰ってきた！



慧「おかえり！」

涼「あれ慧ちゃんだけ？他は？ていうかご飯食べた？」

慧「まだだよ！りょーすけ待ってたの！」



午前中は部活だったらしい涼介が帰ってきた
雨だったからか髪の毛はびしょびしょ



涼「え！まだなの！？もー！すぐ用意するから飲み物だけ用意しておいて！」



涼介はそれだけ言ってすぐに着替えて戻ってきて、チャチャッとパンケーキを作ってくれた



慧「わっ、お前すげーな！」

さっそくいただきまーす、とフォークを持とうとしたら、その手を掴まれた


涼「待って。注射したよね？」

慧「…あ……」



すっかり忘れてた。

だって今日は大ちゃんも光も居ないんだもん


涼「嘘でしょ…もう、早く打って、時間やばいんじゃない？」



朝はたしか7時に打ったでしょ？
それから6時間近くたってる



慧「えへっ」


とりあえず誤魔化して、冷蔵庫から注射器を取る


ソファで打とうかと思い腰をかけると、隣から「貸して」と手に持っていた注射器を涼介に取られる


慧「へっ…」



注射の単位をセットしたり、空うちをしてから俺の服を捲ったりと

やたらと手際の良い涼介にポカーンとする俺



涼「……はい、できた。ど？痛くないでしょ？」

慧「…え、え、もう終わったの…え？」



あっという間に終わって、もう注射針を捨てている

っていうか全く痛くなかった

涼介に注射打たれるなんて嫌なんだけど、なんて思ってたのは一瞬で、本当に一瞬で打ち終わった

って言っても、刺して5秒は動かしちゃいけないんだけど、涼介はその間も「髪の毛なんかついてる」なんかいって気にしてたら終わった

え、天才なの？才能あんの？



涼「口開いてるけど…どした？」

慧「えっ、お前、なに？何誰？」


涼介だけど、なんていう涼介は涼介だ。

でも俺の知ってる涼介は、俺が小さい頃から注射を打つ度、目を瞑ってた



涼「俺だって慧ちゃんの力になりたいんだ。…早くたべよ？」


もうパンケーキに目がキラキラでフォークを刺してる涼介は、確かに俺の知ってる涼介だった

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