# 04 ＜現実世界2＞ ページ5
「あれ？」
“リーフィングスラッシュ”を使ったあと、どのボタンを押してもパソコンからの応答はない。
空夢幻心.≫｜
「これは…？」
不思議な表示が。まるで空夢幻心が実現するかのように。
空夢幻心.≫ワタシノ世界ヲ返シテ ｜
怖い。その一心で私はデスクパソコンをシャットダウンさせた。
__我に返った。
心臓の音がバクバク聞こえてくる。
私の脳内は空回りしていた。驚きと動揺で覆い尽くされたココロ。
この部屋の中、時計の針の音がカチカチと音を鳴らしていた。
部屋の外から声が、聞こえた。
「…！」
これは、ママの声
「おやつのホットケーキ、テーブルに置いておくわよ！」
なんだ、そんなことか。まあいい、気晴らしに食べるとしよう。
私は自室を出て、階段を降りた。
階段を降りている時に甘い匂いが家中に広がっていることにようやく気付いた。
リビングのテーブルの椅子に座り、この甘い匂いを鼻で感じる。
「美味しそう。」
きっと今の私の顔は…いや、言うまでもないだろう。
「いっただっきまーす。」
言葉が弾みすぎだって？“いただきます”という言葉には変わりないから別にいいだろう。
それに今の気分は、ハイテンション。ホットケーキなんて何ヶ月ぶりだろう？
さっきの出来事なんてもう脳内からは消えていた。
Aの脳内で一つ書き換えられた記憶。
空夢幻心によるコメントはなかったことに。
その代わりクエストをクリアしたことに。
世界改変が起こったわけでもない。この世界の1人の人間の記憶が改変されただけである
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作者名：夜桜まお | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/457d94de031/
作成日時：2017年8月25日 18時
