諸君、よく見よ。これが新たなブラック本丸だ (ページ4)

今日:9 hit、昨日:15 hit、合計:59,222 hit

3 ページ4

「つきましたよ」

「えぇっ！？もうですかっ！？」

「ええ。時空を超えてきたので」

何それ。ドラ〇もんかよ。ドラえ〇んかよ。大事なことなので二回いいました。

非現実的すぎることにAは大きく目を開く。

「…最近って凄いですね…」

いやいやいや、異能力も十分凄いし非現実的だと思うのだが。

男性は心の中でツッコミながら、車のドアを開け敷地内に足を踏み入れた。
すると途端に男を悪臭と負が襲ってきた。

「っ…」

くらりとめまいがする。
このブラック本丸には初めて来た。こんなにも酷いだなんて。
ああ、上の奴らはどうしてこうなるまで放っておいたんだろう。
彼奴らには、情がないのか。

「どうしっ…！」

Aが不思議な顔で車から降りれば、悪臭が鼻を掠める。
本来元気に咲いている木は朽ち果て、花も踏みにじられている。
地はひび割れ、ところどころに血がこびりついていた。
元気に太陽が本丸に光を与えてくれるはずなのに、どんよりと曇っており太陽はおろか小さな光ですら覗かなかった。
Aは具合が悪そうに、口元を抑えた。

「…酷い…」

彼女が、そう小さく呟いた時だった。

「っ？」

それは、まるで映画の様だった。
踏みにじられた花はゆっくりと、まるで巻き戻っていくように立ち上がり花を咲かした。
木は少しづつ、少しづつ枯れ木の先端に緑の潤いがある葉を作る。
雲は右へとずれ、太陽が顔を覗かせ、光を差し込ませた。
地はひび割れていたのだが少しづつひかれあうようにくっついた。血は取れていないもののまるで庭園のようだった。