諸君、よく見よ。これが新たなブラック本丸だ (ページ12)

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「かっ、返してくださっ…！」
「だーめだ。返したら君、切腹するだろう？」

ぐっ！

彼は己の親指を立てた。
いやいや、何がぐなの！何もいいわけないじゃんか！

乱藤四郎、まるで女のような美貌を持つ彼は心の中でツッコミを繰り広げた。
ツッコミは乱藤四郎。ボケは鶴丸国永でお送りします。
え？じゃあほかの刀剣男子は？

知らね(適当)

混沌としたこの場は、さらに混沌さを急速させていく。
命綱のこんのすけはもういない。

ああ！！裏切りものめぇ！

Aは内心叫ぶ。

すました顔で尻尾をゆらゆらと揺らしちょこんと座っているこんのすけが脳裏を掠めた。

「…さて、本題に入るが。貴様は誰だ」

刀剣男子の中でも一番威厳を放ち、すんばらしい顔立ちである彼はじっとAを見つめる。
ヒィ！と小さく悲鳴をこぼした。

「わ、わいは与謝野Aでござるぅぅ！！」

頭の中がもうだめだと訴えており、ついにパンクしてしまったAはよくわからない言葉でなのった。

「ッ…！」
「あ、兄者！笑ったら失礼であろう！見習いは真剣に名乗っていて…」

《わ、わいは与謝野Aでござるぅぅ！！》

「ぶふっ…！」

頭の中であのわけわからん言葉がこだまし、注意をしていた刀剣男子はついに我慢の限界となり噴き出す。

「えーっと…弟の…」
「髭丸だ兄者！」
「そうそう、肘丸」
「惜しいぞ兄者！ひ・ざ・ま・る！！」
「ひ・じ・ま・る？」
「あぁぁぁーーー」

まるでコントのような茶番が目の前で繰り返される。脱力しきった声でひじま…うぅん…膝丸は叫んだ。

「ひざま…もういいや。弟丸だって叫んでたじゃないかあ」
「そッ、それはっ…」

ぐぅ、と膝丸は獣のような低い声ででうねった。