Hug me !!【北 信介】

Hug me.25 ページ25

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「いやぁ、かっこよすぎやな。」



以前に来た時と同じように体育館の扉の横に立ち、部室で着替える銀くんを待っていた。

北先輩とお話したいなぁ。図々しいかなぁ。そもそも覚えててくれてるかなぁ。とかなんとか色々考え始める。

浮かれっぱなし、大丈夫か?




「A。」


「おお、なんだ銀くんか。」


「なんだってなんやねん。」




だってもしかしたら北先輩かもって思ったんだもーん。

とか言って、本当に私一人のところに北先輩が来たら緊張してそれどころじゃないのにね。ある意味銀くんでよかったなんて思う。




「まだ帰らんのやろ?北先輩と話すて意気込んでたもんな。」


「うむぅぅうん緊張するぅ...」




実際に自分が北先輩と向き合って話すビジョンを想像して顔が熱くなってしまう。

ほかほかになった頬を両手から挟み込みぎゅうっと押してみると、はぁーっと長いため息が漏れた。





「おつかれさん。」



ビクッと自分の肩が上下に動いた。

背中越しのよく通る澄んだ声が項を擽る。





「き、きたせんぱぁい...」



情けない声が出た。何故だかわからないけど涙が出そうになって。

ブンっと振り返ったらそこに北先輩がいるんだもん。




「あぁ、この前の。汐田さんやったか。」




一瞬考える素振りを見せ、私の目をしっかりと見ながら名前を呼んでくれる。

覚えてくれていたことが嬉しくて全力で緩む表情筋。


会いたかった。話したかった。ずっと。




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