autumn100 守ってみせる ページ3
☆Aside
？「〜！……お〜〜……起きて！A！」
誰かの声が聴こえる。
とても不安そうで、今にも泣き出してしまいそうな。
私はゆっくりと、まどろみの中から抜け出した。
『……白…ゆき？』
白雪「…よかったぁ……大丈夫？起き上がれる？」
目を開けると、心配そうに私の顔を覗き込む白雪がいた。
大丈夫ってどういうこと？私昨日、何かしたっけ……
『…おはよ……いたっ！』
ふわふわのベッドに手をついて起き上がろうとしたら、肩に鋭い痛みを感じた。
なんだ、この焼けるような痛みは……！
目線を肩へ向けると、そこには布が巻かれていた。
噛みちぎったような跡がある。
白かったであろうそれには、真っ赤な鮮血が滲んでいた。
『こ……れは……………！！』
その瞬間、私はすべてを理解した。
自分のせいで白雪を危険にさらし、女に肩を斬りつけられ、
結局2人揃って攫われてしまったという事実。
そして、それを今の今まで忘れてしまっていたということを。
傷による一時的な記憶の混乱だろう。
だけど、一瞬でも忘れてしまった自分が信じられない。
殴りつけてやりたい気分だ。
『ごめんなさい白雪！私……っ』
白雪「落ち着いてA。私は大丈夫だから。
それよりも、あなたの方が心配。
薬草はないけれど、シーツを使って血を止めることはできたの」
あたりを見回すと、ベッドの下に赤い布が大量に落ちているのが見えた。
よほど深い傷だったのだろう。
『ありがとう、白雪。
それと、本当にごめんなさい。あなたを巻き込んでしまった』
白雪「謝らないで。詳しい事情を聴きたいけど、まずは2人で脱出することだけを考えよう」
『……うん、ありがとう』
私を安心させようと、柔らかい笑みを浮かべる白雪。
だけど、その手は小刻みに震えている。
自分だって怖いのに、怖くないふりをして私の心を落ち着かせようとしてくれているのだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そのとき私は
自分はどうなってもいいから、
彼女を必ずゼンのもとまで届けよう、と決意した。
.
autumn101 指1本触れさせない→←autumn99 鈴の音
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
