autumn115 おとぎ話 ページ18
遠い昔＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
イルメリア家に
花のように可憐で、
透き通ったガラスのように美しい少女がおりました。
彼女の名は、サリエル・イルメリア
花を愛し、花に愛された、美しい少女。
ある日、少女は恋に落ちます。
白い薔薇のように美しく、剣術に長けた隣国の王子。
彼もまた、花を愛していました。
少女は王子の気を引くためにさまざまなことをしましたが
すべて無意味でした。
彼にはもう、心に決めた人がいたのです。
ですが、少女は諦めません。
美しくなるために、たくさんの努力をしました。
そしてある日、噂を耳にします。
“花を食べると、花のような美しさを手に入れることができる”
哀れな少女はその噂を信じ、
国中の花畑から花を抜き取り、体内に取り入れました。
何十本、何百本、何千本＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
具合が悪くなっても
動けなくなっても
彼女は花を食べることをやめませんでした。
そして、地上から花がなくなるころ
王子が少女の所へやってきました。
ベッドに伏せり、やせ細った彼女は、年老いた老婆のよう。
王子はこう言いました。
「あなたは愚かだ。カラッポの私に恋をして、泣いている。
私は、そんな美しい心を持ったあなたに心を奪われたようだ」
「………」
「私を愛してくれてありがとう」
少女は涙を流しながら微笑みました。
長年の愛が報われた瞬間でした。
王子は指で涙をぬぐい、少女の唇にキスを落としました。
そう、王子の心に決めた人は、もうこの世にはいません。
ずっと昔、病気で天国へと旅立っていたのです。
少女の愛は彼の心を溶かし、癒し、包み込みました。
やがて２人は結婚し、子供を産みました。
少女はこのうえない幸せを感じていましたが、それは長くは続きませんでした。
地上から花を消した少女に、花の神は大激怒。
イルメリア家にある呪いをかけたのです。
それは
８００年に１度、イルメリア家生まれてくる少女に対する呪い。
２０回目の誕生の日に、花となってこの世から消える。
そんな呪い。
すべての張本人である少女は
最愛の夫と子供を残して、花となり散りゆきました。
少女は消えましたが、呪いはこの先ずっと＿＿＿＿＿＿
空が落ち、海が乾くその日まで続くでしょう。
．
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
