autumn98 獣 ページ1
★オビside
ギル「話はすべてサカキどのから伺った……」
ラジ「ま、ままま誠に申し訳ありません！ギルどの！」
少し赤みがかった、つんつんした髪。
A嬢によく似た緑色の瞳。
あのお方はいったい何者なのだろうか。
早くA嬢とお嬢さんを助けに行きたい
と焦る気持ちを抑え、
隣のミツヒデさんに訊いてみた。
ミツ「ああ、オビは初めてだったな。
あのお方はイルメリアの第一王子。
つまり、Aの兄上だ」
オビ「へぇ…」
容姿は彼女に似ているが、纏っている雰囲気は全然違う。
なんというか、獣のようだ。
いつもあんな感じなのだろうか。
それとも、
妹が攫われたから、あんなふうにドス黒いオーラを纏っているのだろうか。
おそらく、後者だろう。
ギル「もう起きてしまったことなのだからどうしようもない！
一刻も早くAを助け出しに行くぞ。もう敵の目星はついている」
ゼン「誠ですか！？ギルどの」
驚きの表情で2人の間に入る主。
すると、ギルの兄貴は、今初めて主がいたことに気付いたかのような素振りを見せたあと、少し頬を緩めた。
ギル「ゼンか！？大きくなったなぁ！
昔は俺の背丈の半分もなかったのに…」
ゼン「人間だれしも成長するものですよ」
ギル「フッ…生意気な口ききやがって」
軽口を叩き合う2人。
信頼関係は築けているようだ。
主の表情が優しい。
ギル「それじゃあ、我が愛しの妹Aと……
赤髪のお嬢ちゃんを助けに行くか。
頼りにしているぞ」
ゼン「もち……」
ラジ「もちろんです！ギルどの！！共に力を尽くしましょうぞ！」
主を押しのけ、ギルの兄貴が差し出した手を強く握る王子。
主がじと〜っとその光景を見ている。
ギルの兄貴は、おかしそうに笑っている。
オビ(よし。これでやっと、A嬢を助けに行ける……)
さっきから、腹底の怒りを抑えるのに必死だ。
ウィスタル城で主に、
「1回落ち着くためにも、
ラジのところに着いてこい。
いいか？怒りを抑えるんだ」
と念を押されなければ、俺はタンバルンに着いた瞬間あてもなくそこら中を駆け回っただろう。
だけど、もうそろそろ限界だ。
いや、限界なんてとっくに通り越している。
怒りでどうにかなってしまいそうだ。
ギル「………」
.
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
