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『こんにちわ』
「え、ほんとに来た…」
「嘘だろ…」
「お前ら信じてなかったの!?」
「三神、上で見てもらって大丈夫だから。」
『うん、ありがとう。』
体育館に足を踏み入れた途端こちらを見て驚いたり、何故か放心状態になっている人達に小さくお辞儀をしながら素通り、ハシゴを伝って上に登れば広々とした体育館の隅から隅まで見渡す。
下では坊主頭の人と髪を逆立た人が菅くんに向かって手を合わせて拝んでいた。
「スガさんあざっす。」
「ちょっと疑ってすんませんでした。」
「いいってことよ。」
そんな会話を耳に入れながらも探すはただひとり。けれどどこを見てもあのオレンジは見当たらない。
『あの、さ、日向くん、居ないの??』
「………え、あの三神さんが話しかけてきた?」
「龍、おれは幻聴が聞こえ出したようだ。ちょっと思いっきり殴ってくれ。
………つか、なんで日向?」
「そういや日向居ないな、ついでに影山も…」
「なんか、授業中爆睡してた上にテストの点数が悪かったらしくて2人仲良く職員室にお呼ばれされてましたよ。」
「あいつらまたかぁ………
らしいぞ三神ー!」
『そうなんだ。』
あの子勉強苦手なのね、なんてひとつ知れたことに満足。
少ししたら来るかな、そう思いつつ手すりにもたれかかって下を見下ろした。
その時、ちょうどこちらを見ていたのか眼鏡をかけていた彼とパチッと瞳がかち合う。
なんだろう、と首を傾げて見つめ合うこと10秒、何故か彼は眉を歪ませて顔を逸らしたのだった。
それからしばらく…
「遅れましたあぁぁぁ!!」
「すみませんっ」
というふたつの声が同時に体育館に響いた。
「おう、二人ともおつかれー」
見ればそこには待ち望んでいた彼。また心臓がドキッとはねる。
「そういや、日向にお客さん来てるぞ。」
「え、俺に?」
「ほらあそこ。どんな関係か知らねーけど、なんでお前が三神さんとっ」
え、うそ、こっちみた。
頬に熱が溜まってゆく。ほぼ全員の視線が向けられ、微笑む余裕もない。
どうしよう、なんて戸惑っていれば
「お、俺、あんな美女と知り合いじゃないっすよ!!」
「………三神先輩…!?」
日向くんと共にやってきた黒髪の彼がこちらを見て驚いた。
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れな(プロフ) - 良ければ更新お願いします!もっと烏野のみんなとの絡み見たいし欲を言えば全員分の落ちとかもみたいです!完結までついていかせてください! (7月24日 6時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - なんだか色々と話の構図がタイプです。続き楽しみにしてます、頑張ってください。 (2020年6月21日 5時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - お話読んでみたらすっごい虜になっちゃいました!更新頑張ってください("⌒∇⌒") (2020年4月29日 17時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 三神ちゃんと影山の関係が気になります!更新大変だろうけどがんばってください!! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 825ada6d1a (このIDを非表示/違反報告)
小百合 - 面白いです!!更新楽しみにしてます!!ファイトです!! (2020年4月29日 12時) (レス) id: b5a08e9156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花子 | 作成日時:2020年4月28日 1時