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#8 ページ8

「あのすみません、たしかにどこでもいいとは言いましたけど…


なんでトントンさんの部屋なんですか。」


「それはこっちが聴きたいわ…。」


怖いんですけど。寝てる間に抹殺されそう。
少なくとも、今の私は『大天使』なんてイメージ持っていない。『有能』はさておいて。

待遇も明日決まると言っていたし、殺されることだって否定はできない。
…それよりも今は。

「シッマ知りません?」

「そういうと思って呼んどいたで。そろそろ来るんとちゃう?」

ほう、たしかに有能。
一定の距離を保ちつつ、2人の間で微妙な空気が流れた。
すると、いきなりバンッと大きな音がして、扉が開く。

「邪魔するでー!」

「邪魔するなら帰って〜。」

ズカズカと人の部屋なのにもかかわらず、ノックもせずに踏み込んでいくシッマは、出会った時と微塵も変わっていないようだ。

「おお、Aはトントンの部屋なんやな。」

「絶対あのグル…あっ、そうグルッペン。グルッペンさん悪意あるよね。」

名前を1人1人メモしておいて正解だった。
後で聞いたところ、外交やらなんやらで、数人は今、国にさえいないとか。

なんやかんや、ここも国だなと。まあ、当たり前のことを思ったわけですが。


「で?シッマ、なんで私はこんな目に遭わないといけなかったの。」

少し不機嫌に問うと、シッマは半笑いで答える。

「すまんすまん。ちゃうねん。ほんまは観光客ちゃうかなっていう思いもあったし、なにより…

お前の実力見てみたいやん。」


は?
実力ってスパイの実力?それとも戦闘においての実力?まあ、どっちだって関係ないけど。

「トントンと戦ってる時随分白熱しとったし、どうせなら決着つくまでみたいなぁ、と。」

「あれ、私とシッマって友達だったっけ。」

「シッマ…それは流石に心無いだけで済まされへんで…。」

20年ほど生きてきて、生まれて初めて友達の不正確さを感じた。…2、3回目だったっけか。
どうでもいいことは記憶力の引き出しの無駄遣いなので忘れた。

「ああ、もうお前の顔見たくなくなってきた。帰らないと殺すよ。」

「穏やかやないなあ。じゃあな、トントン!うちのAがしばらく世話なるわ!」


そう言うと、シッマは何事もなかったかのように去っていった。
…ところで『うちのA』ってなに?家族だったっけ。

そして、また沈黙が訪れた。


「えっと…改めて自己紹介でもしよか。」


おっと、思ったよりもトントンさんは真面目らしい。

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作品ジャンル:恋愛
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…!! (2019年10月8日 19時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして!好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます! (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
- 好きすぎる! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
- 夜飴月/黄泉月さん» はい!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2019年1月18日 20時

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