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【璃子】
例の一件があってから、恥ずかしくて私はあまりトントンさんと話すことができなかった。
一方で、トントンさんはあの時のことをネタに時折私のことをいじってくる。
「大先生のこと好きなん?」
「俺の着てるロングとか長すぎたやろ?ごめんな?」
以下略。
でも、それで少しでも睨んだり顔をそらしたりすると笑って『ごめんな、臭かったよな』とか、だいぶコメントしづらいことを言われる。
別にくさくなかったし、男らしい匂いだったと思う。
とか考えて今も頰を赤く染めてしまう。
「ったく…なにやってんだ自分。」
ベッドの上で呟いた。
現在時刻は午前3時。トントンさんは疲れたのか、デスクに突っ伏して寝てしまっていた。
トントンさんをソファに運ぶか否か。…いや、あの身長の彼を運ぶことができないことくらいわかっているけど…。
仕方がないので私の被っていた毛布をかけてあげた。別に、元いた国では地面で寝ていたから少し寒いくらいの環境、眠れないようでは殺される。
ここで今の状況を説明してしまうと、明日…いや、3時ってことは今日か。
今日はとうとうグルッペンさんが主催の我々国での他国首脳や貴族を呼んでのパーティだ。
もし本当にスパイになることをやめるなら、明日仕事をしてからということになるのは前々から承知済みだ。
ため息をふぅっとつく。
目がまだ重くなく、とても暇だ。
だから、トントンさんの机の引き出しを開け、日記を取り出した。
昨日の部分を探す。
『○月××日
明日が勝負。』
勝負…?
違和感を抱いたものの、トントンさんの自信溢れるような筆跡に思わず微笑んだ。
ふわっと大きなあくびをし、『明日も早いから』と言葉を漏らしてベッドへと。
タオルケットで肌寒い夜を過ごした。
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…!! (2019年10月8日 19時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして!好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます! (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月/黄泉月さん» はい!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2019年1月18日 20時