#２２ ページ22
「シャオちゃんは畑にいたずらしたんだよね。」
「お、おう…悪かったって…。」
らんらんさんの見せる怖い顔に、思わず誤魔化し笑いをするシャオロンさん。
…いや、何したんだよ。
手に持つスコップには少し赤黒いものが。
ああ、なるほど？これはシャオロンさんにとって武器か。
「ごめんA、苗持ってきてくれる？ちょっと行ったところの倉庫に入ってるから。」
おっ、これは逃げ出せるチャンスか…！？
「…言っとくけどね。城内は監視カメラがあるから逃げ出そうとしたら、すぐばれちゃうから。」
「…はーい。」
なんでこんなにここの人たちは勘が鋭いんだろう。
本当、うちの国の王がここにスパイとして私を送らなくてよかった。
きっと、死ぬギリギリの拷問をされて、全部吐ききった瞬間にはもう死んでるんだろうな…。
ううっ、想像するだけでやばい、やめよう。
「えっと…？倉庫…倉庫…。」
キョロキョロと辺りを見回していると、少し高めの声が耳に入る。
しかし、あまりよく聞こえない。
「俺天才やな！…が…す…ねん！たか…か…はい…ちゃうか…。」
応答が全く聞こえないことから、１人だと伺えた。
独り言をトチ狂ったように発し続けているのは誰だろう、と興味本位で覗いてみた。
「…お前か。」
「ん？おおっ、Aやないか！！」
どうやらニワトリさんに話しかけているらしい。
メルヘン。
「ところで、なに話しかけてたの？」
倉庫を見つけたので、中を漁りながらシッマに問う。
すると、シッマは『え？』と言って冷や汗を垂らした。
…。
「何か隠して…。俺天才やなとか言ってたでしょ。」
「い、いやいや、ちゃうんすよ！！言ってないってそんなぁ〜。」
コネモードに入ったな。…まあいい。
沈黙の末に、ふと気になった。
「グルッペンさんってシッマから見てどんな人？」
そう言うと、シッマはうーん、と考え込む。
しかし、回答はあっさり出た。
「怖い…やな、怖いやつ。まあ、根はええ奴なんやけど、やっぱどこかズレとるよな。」
『あっはっはっ』と高笑いを語尾につける癖は相変わらずのよう。
怖いやつ…か。
たしかにあの人の考えていることは読めない。それでいて、いつも心を見透かされているようで。
「ねえシッマ。」
返事はない。
「あの総統、絶対裏あると思うんだけど。」
返事はない。
『しっまぁ？』と倉庫から顔を出すと、すでに彼の姿は無かった。
…返事もないはずだ。
さて。
「苗、運ぶか。」
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
