#２ ページ2
「はえーっ、おっきい。」
小学生並みの感想を吐き出し、我々国の城の門に立つ。時刻は夕方４時で、陽が少し橙色に染まってきたところだ。
門番に許可を得て、城内へと入る。少し門番の顔が歪んでいたのは気のせいだろうか。
ビビーッ ビビーッ
…。
「なんで警報音が鳴り響いているんですかねぇ。あれ、私って客だよね一応。」
独り言を言っていると、タッタッタッと走る音が聞こえてきて、思わず振り返る。
すると、緑のパーカーを身にまとった人が全速力でこっちへ向かって駆けていた。…ナイフを手に。
あっ、やべえやべえ、殺される。
そう本能的に判断した私は、護身用の拳銃をその人の足元に放った。すると、少し距離が空き、その隙に角を曲がって逃げる。
「…これはシッマにハメられた。間違いない。」
外観からして大きいこの城は、中から見てもとても大きかった。正直な話、シッマを見つける前に死にそう。
と、そのとき。スーツを身にまとった青年が私に話しかけた。
「すみません！今、城内見学していたんですけど、サインもらってもいいですか！！」
うわぁ…こんな命の危機に晒されている時にやばいやつきた…。
「私はそんなサインをあげられるほど大層な人間じゃないです。」
そう、返した。
すると、その男は困り眉でなおも問いかける。
「じゃ、じゃあ何かください！！メモ帳でもいいです！！」
この男、付き合ったりしたら束縛されそう。なんて、余計なことを考えながら『先急ぐんで』と丁寧に断った。
しかし。
「俺は侵入者でも、美味しくいただけるで。」
「は？」
冷たい床に押し倒されたのに気づく。最悪だ、この人もここのお偉いさんか。
「ええ匂いするし、べっぴんさんやな。」
そんな風には言っても、腕を掴む手は決して緩めはしない。
仕方がないので、腹部に蹴りを入れた。
ドガっという鈍い音がし、相手がよろめいた隙をついて出入り口に逆戻りする。
もう帰りたい、あのクソ国家の方がまだマシかもしれない。
そう感じた。
「やばい…あの女の人強すぎへんかグルッペン。」
「ロボロ、怯えすぎだ。」
グルッペンと呼ばれた男は監視室と呼ばれる部屋で侵入者を見ていた。ロボロと呼ばれる男と共に。
「そろそろあいつが動くんじゃないか？戻ってくることを読んで。」
意味深にはいたその台詞は画面の女に聞こえるはずがない。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
