愛してる【kn】 ページ4
「見てこれ、愛してるよゲームだって。」
スマホを指差す俺の彼女、A。
そこには『カップルでやったら絶対盛り上がる！？愛してるよゲーム！』と角の丸い文字で書かれていた。
「胡散臭そうやな。」
「それな。」
自分でも調べてみると、片方が『愛してる』と伝え、もう片方が『もう一回』と言い続けるだけのルールがオーソドックスらしい。
どちらかが照れたらゲーム終了、照れた方が負け。
実にシンプル。
「クレープ冷蔵庫に一個あったけど、それ賭けてやる？」
「Aがどうしてもやりたいっていうなら仕方ないな！」
『どうしてもなんて言ってない』と返す彼女が可愛くて、頭を撫でた。
俺の身長が大分高いからか、時折子供に見えて仕方がない。
じゃんけんをして、Aが俺に『愛してる』と言うことに決まった。
心無い、心無いと言われている自分からすれば、こんなゲーム如きの愛の言葉なんて、挨拶よりも萎える。
「愛してる。」
「もう一回。」
「愛してる。」
「もう一回。」
何回も何回も、彼女はトライしては砕け散る。
いつもそこまで甘えないAの『愛してる』は胸に響きさえしたが、心には届かない。
無いから届かないんじゃないかって？
おん、そうかもな。
「…無理。交代。」
「はいはい。」
『降参でーす』と白旗を上げる真似をするAは交代すれば勝てると思っているのだろうか。
…負かしたい。
そんな気持ちが生まれる。
そこで、Aの背中を押さえ、こちら側に引き寄せると、耳元で囁く。
「愛しとるで、A。」
「…。」
Aは何も喋らない。
少し体を離してAの顔を覗く。
思わず笑いが溢れる。
「…顔真っ赤やん。」
震えながら顔を横に振る仕草は猫のようだった。
実際彼女は耳まで真っ赤、否定しても無駄。
…萌える。
「Aお前…かわええなあ！！」
「うっさい！」
照れ隠しからかぽん、と胸板を軽く押すAに逆らって強く抱きしめる。
「Aが彼女でよかったわ、ほんま。」
「…も。」
Aのもぞもぞとした声が聞こえて『もう一回』と頼む。
「私も…。シッマが彼氏でよかった。」
背中に手を回してこちらを見上げるのだから辛い。
「ああもう、クレープ一緒に食べるで。」
俺も照れ隠しするしかないやん。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - 悠哉さん» リクエストありがとうございます。了解です！ (2019年1月4日 23時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
悠哉 - はじめまして！リクです！ツーマンセル組(zm syp)で軍パロが見たいです！落ちはなんでもおっけーです (2019年1月4日 23時) (レス) id: 23affa0a0e (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 甘党吸血鬼なづさん» リクエストありがとうございます。承ります！ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
甘党吸血鬼なづ(プロフ) - リクエストなんですけど、エミさんで学パロみたいなのって出来ますか？ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 544e4af6c9 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 白華時雨さん» 同い年で自らは堕ちていき、それでも彼女のことは心配するという、クズさの中に塗れた優しさを書いてみました。そこまで考えていただけるとは思っていませんでした、ありがとうございます！ (2019年1月2日 14時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2018年12月31日 22時
