【w/r/w/r/d/!】誰が妹だこんちくしょう【毒素】

＊ ページ6

『愛してるよ。』


「…うーん、Aだと照れちゃう！」


女子友が１人抜ける。

しかし、その間にもグルッペン側の女子らは全員抜けていき、とうとう２人になった。


『愛してるよ。』


「愛してる。」


ふん、だから、そんな単調な愛してるで照れるわけがない。

勝ったな！

しかし、私がどれだけ愛してる、と言っても全く動じないグルッペン。

もちろん、グルッペンのように単調につらつらと並べているわけではない。

お姉さん風、ロリ風、ぶりっ子風、さばさば風。

全て試しているはず。

…えっ、最後に限っては…？

よく聞こえないなあ。

うーん、素で言ってみるか。


『…愛してる。』


「…！いやっ…まあ。」


一瞬眉をピクリと動かし、少し目をそらす。

おっこれは！？


『トントン！これ勝ったよね！？』


「いや、まだまだやな。」


くっそ…！

審判員の判決が出て、また続く。


「愛してる。」


『愛してるよ。』


…いつまで続ける気だ。

と、その時だった。

柔らかな笑みがグルッペンに浮かぶ。


「愛してるぞ…。」


『…！いやっまあ。』


「何同じ反応しとんねん！！いい加減どっちか照れろや！」


今の不意打ちは結構きた。

しかし、まだ我慢できる範囲。


『愛してる！』


さっきの「照れていない」という判定が気に入らなかったのか、グルッペンは立ち上がる。

私も見下されるのが嫌だったため、立ち上がった。


「なんでお前照れないんだよ。」


すると、なぜかどんどんと詰め寄られ、私は後ずさる。

窓ガラスが後頭部にコツンと当たる。

それとは対照的に、グルッペンの腕がゴツンと窓ガラスに当たった。

…壁ドンだと！？

次に色っぽい目で私を見つめて放った言葉。


「A…愛してるぞ。」


女子から小さく黄色い声が漏れる。

ブワァっと顔が熱く、赤くなるのがよく分かる。

やばい…反論…反論しないと…！

そんな私を焦らすかのように、顔を覗き込んでくるグルッペン。

えーっと…えーっと…そうだ！

グルッペンの腕の隙間から顔を出し、トントンと目を合わす。


『こ、これって体使ってるからルール違反だよね！！？』


「せやなぁ…。」


そんな話し合いが始まると、さすがのグルッペンも怯む。


「いや、俺が歩いてたらAが勝手に下がっただけじゃないのかトン氏！！」


まるで、交渉だ。

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