【w/r/w/r/d/!】誰が妹だこんちくしょう【毒素】

Happy Halloween！2 ページ23

今日は世でいうハロウィン。

私は少し用事があり、都会へ繰り出していた。

すると。


「Excuse me.(すみません。)」


仮装をした外人に話しかけられる。

男の人で、楽しそうだが少し困り眉。


『What's the matter？(どうされましたか？)』


英語は得意…というか、ほとんどぺらぺらなので安心して受け答えをしていく。

どうやら男の人は駅まで行きたいらしい。

急ぎの用事でもないため、送っていこうとする。

…でも、この人英語があまり上手くない。


『Are you from America or England？(アメリカかイギリス出身ですか？)』


「ノンノン！！I'm from Italy！」


そう、嬉々として語る男性。

適当に返事をしていると、相手は私がイタリア語を理解できると思ったのか、イタリア語で話してくるようになった。


「Questo è un bel posto！」


『あ、あいどーんとすぴーくイタ…。』


ん、待てよそもそもイタリア語ってなんて言うんだっけ。

私が迷っている間にも男性はどんどんと喋りかけてくる。

泣きそうになっていたときだった。


「Sono il fratello maggiore di questa ragazza. Sei stato chiesto?」


いきなり横から作ったようないい声が聞こえてくる。

これは間違いなくイタリア語。

…こんなところで助けるなんて、勇気のある人だ。

そう思い、顔を覗いた。

え。


『だ、大先生？』


その男はニヤリと笑う。


「任せとけって。」


高校ぶりの友との再会。

思わず感動する。

…まあ、こいつは屑だったけど。

そのあと大先生はイタリア人を無事駅まで届けた。


「アーリガトネ！そっちのお姉さんも！」


そんなカタコトの日本語が聴こえて、一安心する。


『No, problem.』


「Sto pregando per un buon viaggio！」


相変わらずよくわからないイタリア語をつらつらと並べる大先生とは違い、英語で応答する。

すると、大先生がこちらに笑顔を向けた。


「いや、久しぶりやな！…すっかり可愛くなってもうて。」


そう言うと、綺麗な指の生えた右手を私の頬にそっと添えた。

…鳥肌が立つ。


『さ、SAN値チェックいいですか？』


「どうぞ、1D100で。」


あっ…発狂するんですねわかります。

そういえば。


『外人と会った時、私のこと指差してたけどなんて言ったの？』


「え？僕はこの少女の兄です。」


『…ちなみにこの少女というのは？』


「お前に決まってるやろチビ。」


『誰がチビだ滅べええええ！！』



私の声が街にこだました。

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