風邪その２ ページ14
「ぶぇーっくしょん！！」
「ゴホッ、ゲッホンッ！！」
『喧しいッ！！』
「すんません。」
えー、助けてください。
彼らが風邪をひきました。
バカは風邪をひかないと言いますが、あれは嘘のようですね、はい。
それで？
『私はなにをすればいい？』
「知っとるか…運動したら汗がぎょーさん出て、風邪って治るらしいで。」
『ジム行ってこい。』
本当に支度を始めた真面目なトントンを慌てて止める。
多分ジムに行く途中に死ぬと思うから。
「やっぱり寝た方が…。なあA、一緒に寝てくれるよな？」
『そんなに寝たいなら永遠の眠りについとけ。』
「ゲホッ…いつにも増して冷たい妹。」
だから妹じゃないって言ってるでしょうが。
…でもちょっと冷たすぎるかも。
『…ご飯作ってきてあげるね？何がいい？』
横たわっている２人に合わせて膝立ちで聞く。
「甘いもん食いてえ…。」
「えぇ…Aの作った料理とか絶対腹壊すから嫌や…。」
グルッペンは了解なんだけど、トントンガチトーンでそれ言うのやめようか。
甘いものか…。
クッ○パッドで検索して、フルーツ入れたお菓子でも作ろう。
ほら、ビタミンCは風邪に効くって言うし。
作ってくるね、と言うと素直に喜ぶグルッペンと低い声で発狂するトントン。
…トントン治ったら覚えてろよ。
『はい、できた！！フルーツケーキ！』
寝ている２人をねえねえ、と起こす。
え、意外と上手くできたんじゃない？
「おっ、美味そう。」
「ぜっっったい怪しい。まずお前が毒味すればええや…ヘクチッ！」
えっちょっと今のヘクチッ可愛かった。
まあまあ、そこまで言うなら毒味、してやろうじゃないですか。
そんな思いを胸に、３つあるケーキのうち１つにフォークを突き立てた。
そしてゆっくりと口へ運ぶ。
そしたらほら、甘い香りが…！
『…しょっぱい。』
「え？」
『…。』
沈黙が部屋を支配した。
トントンはもう二度と私にグルッペンの看病はさせない、と言って次の日に自力で風邪を治した。
でも、やっぱり諦めきれなくて作ったケーキを冷蔵庫に保存しておいたのでもう一度口に含んだ。
…しょっぱい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 596人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 有さん» 了解です。私も最近この小説が恋しくなってきた頃なので、今書いているtn小説が終わったら続きだします！！ (2019年3月16日 12時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
有 - よし。続編出しましょうそうしましょう。てか出してくれるのを期待します最高です。ら (2019年3月14日 20時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 夜櫻さん» コメントありがとうございます。こちらこそ、リクエストいただいて本当に嬉しかったです！楽しみにしていただいていることを糧に次作も頑張ります！ (2018年11月24日 0時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
夜櫻 - 夜飴月／黄泉月さん» お疲れさまでした！最後にツンデレ書いて頂きすごく嬉しかったです♪『何を書くか』それは私がつっこめることではないのですが次作も楽しみにしてます！ ありがとうございました！ (2018年11月24日 0時) (レス) id: c67cff5c66 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - シロ(shiro)さん» コメントありがとうございます。残念な思いをさせてしまい、すみません…別作品も読んでくださっていて、本当に嬉しいです。応援ありがとうございます！ (2018年11月22日 23時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2018年10月23日 20時
