２７秒前 ページ23
.
「おはよう」
「おっ、おはよ、う…」
いつも通り。
良くも悪くも、本当にいつも通り。
吃る私を見て笑った傑は、私の頭をひと撫でしてそのまま席に着いた。
「…」
なるほど、そうくるか。
こっちはこんなにもドギマギしてるっていうのに。
なんて自分勝手なことを思ったり。
「顔やべーぞ」
「っ、！？」
考え事をしている私の目の前に現れたのは白髪サングラスの男。わざわざ体を曲げて私の顔を覗き込む男はいつもと同じ軽薄な笑みを浮かべている。
「うんこか？」
「は！？」
「ずっとそんな顔してっから」
「そんな顔してないから！」
「じゃあもっとましな顔しろよ」
大きな手で私の頬を挟み、ぎゅっと潰す悟。
「ひょっほ……」
「あ？」
「ひゃめへよ、」
「あー？聞こえねーな？」
ゲラゲラ笑う悟の後ろから覗いたのは硝子。
「五条、オマエは視野が狭い。もっと周りを見ろ」
「は？」
「夏油」
「傑？………ぁ、」
手で挟まれたまま私も傑の方に視線を向けると、鬼のような形相の傑が悟を睨んでいた。
そのままスッと離された手に頬が開放感を感じる。
「…ただ遊んでただけだろ、んな顔すんなって」
「私は心が狭いからね」
「菩薩みたいな顔してんのに」
「…喧嘩売ってるなら買うよ？」
「そんなもん売ってませーん」
綺麗な顔を歪ませる悟は相変わらずどうかしてる。
そんな顔面崩壊を気にすることもなく傑を煽る悟は「そうだ」と何かを思い出したように私の方へ振り返った。
そしてそのまま耳元に口を寄せてくるから傑の顔が段々と歪んでいく。
「…オマエら、ヤった？」
囁かれた言葉は心底デリカシーのないもので。
思わず白髪頭を叩いてしまう。
「っ、てぇな！何すんだよ！！」
「アンタがデリカシーないこと聞いてくるから！！」
「気になんだろ！」
「ならなくていいから！！」
「友人の性じじょ「あ───！！」うるせーな！！」
恐らくこの男は、この前同様『友人の性事情を把握するのも〜』とかなんとか言おうとしたんだろう。
「さっ、悟、早く席座りなよ！夜蛾先生来るよ！」
しっしと追い払うように手を動かし、痛いほどに感じる傑の視線に気づかないフリをした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カケオレ(プロフ) - おめでとう夢主ちゃん。夏油と幸せになってくれ (7月22日 10時) (
レス) @page50 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
加穂(プロフ) - 始めまして。こちらの作品読ませていただき夏油傑がもっと好きになりました！続きを読ませて頂きたいのですがパスワードを教えて頂いてもよろしいでしょうか？ (7月15日 22時) (レス) @page50 id: 45a8770aec (このIDを非表示/違反報告)
モモ - こちらの作品読ませていただきました！すっごく面白かったです！パスワード作品も読んでみたいのですが、教えていただきたいです！ (4月30日 23時) (レス) id: fdeb613541 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こちらの作品を読んで傑が更に好きになりました！ありがとうございます😭好きすぎて何度も読み返してしまいました😭過去の作品も読んでみたいのですが、パス教えていただけないでしょうか？🙇♀️💦 (2023年2月26日 17時) (レス) id: df988bb267 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 天才…ありがとうございました…！！ (2022年11月12日 23時) (レス) @page50 id: 6ec9f3ee23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七
| 作成日時：2021年5月3日 20時
