【短編集】助けて...

植田圭輔（舞台俳優） ページ28

『はぁ...』

またやった...。もうやらないって決めたのに...約束したのに...切った...きっと圭輔は怒るだろうなぁ...

ｺﾝｺﾝｺﾝ

「A？居る？入っていい？」

『え、あ、ちょっと待って！着替えてる最中だから！』

どうしよどうしよどうしよ！！
止血もしてない今から止血する時間なんてない！！床にも垂れてるし...！！バレちゃう...！！嫌だ！嫌われる...！！

「･･･」ｶﾞﾁｬ

『！？』

もう...だめだ...

「やっぱり...」

バレた...

『これは...その...』

「･･･とりあえず手当しよっか。ちょっと待ってて道具取ってくる」

あれは...怒ってる...違う、そんなの通り越して...圭輔は...私の事

『呆れて、嫌う...嫌われる...』

「誰に」

『！？』

「手当てするから腕出して」

私は無言で腕を出した。

「ｯ...！A？」

『何...』

「泣いてるけど...大丈夫？」

『！...だいじょ、ぶ。...ねぇ』

「怒ってないし呆れないよ」

『･･･え？』

「俺も稽古とか忙しくてなかなかAと話すことできなかったから。その間ずっと1人で寂しかっただろ？ごめんな。せっかく治ってきてたのに。」

『圭輔は悪くない。仕事優先、圭輔は有名な舞台俳優。舞台で輝く圭輔かっこいいから好き』

このやろー！って言って圭輔が私の頬をつねってきた
でも力加減はしてくれてて全然痛くなかった

「Aは笑った方がいい」

なんて言いながら私の頬をつついてきた

『うん。ありがとう圭輔。また助けてくれて』ﾆｺｯ

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