127.誰 ページ27
深澤side
隣にあったかいぽわぽわの塊を抱えて気持ちよく眠っていたら、
〜♪〜〜♪〜
大きな音でそれを邪魔する機械音。
〜〜♪〜〜♪〜
…………
〜♪〜〜♪〜〜
「…チッ、うっせぇーな。」
人がせっかく気持ちよく寝てたのに。
頭を掻きながら身体を起こしてリビングに向かう。
部屋中に鳴り響くその着信音は聞き覚えがないから、きっとAのスマホだろう。
そして、その相手は多分…
「…やっぱり。わら」
案の定ディスプレイに表示されていたのは
【さっくん】…なんてなんとも憎らしいあだ名。
俺がこの世で最も嫌いな男を表す最悪の言葉。
ってかこいつしつけーな。わら
その名前が何度も何度も表示される。
今更Aに何のようよ？
ざんねんだけどAはもうお前のもんじゃないんだよ佐久間。
いや、もともとお前のものなんかじゃなかった。
なのにお前は昔っから自分の所有物だと言わんばかりの態度を振るって彼女の全部を独り占めして…
「ほんとうぜぇーんだよ。」
眉間に皺を寄せながら取り出した彼女のスマホのSIMカード。
「Aはね、俺のなの。」
______バキッ、
「俺だけのものなんだよ。」
これからは佐久間、お前の名前じゃなくて、
…"辰哉"って俺の名前を呼ぶんだ。
楽しい時も嬉しい時も悲しい時も辛い時もAは俺を求めんの。
だって彼女には俺しかいないから。
俺だけだから。
スマホの電源を落としてゴミ箱に投げ入れた。
「…俺もお前だけだからね。A。」
んー。耳障りだったスマホも無くしたし、
もう一寝入りすっかなぁ〜。
あ、その前に水飲も。
キッチンに移動して冷蔵庫から取り出したペットボトルを口に運んでいると、
次の瞬間後ろからふわっとあったかい何かに包まれる。
「おっ、どーしたぁ？」
『……』
「んー？Aちゃん目覚めちゃった？」
______コクコクっ
「そっかそっかぁー。」
『となりに、いないから、っ、』
「あー、ちょっと喉乾いてさ」
んは、淋しかった？わら。そう言うと控えめに頷いた後
『…お願い、どこにも行かないで、ひとりにしないでっ、』
______もう置いていかないで、
俺を抱きしめる彼女の腕の力が一層強くなった。
「………」
そんな彼女の腕をゆっくり解いて、ほっそい首を撫でた後、そのまま首を掴んで親指を喉に添える。
『…っ、え、…』
.
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真由(プロフ) - 更新再開してくださって嬉しいです！！めっちゃ楽しみにしてます！無理しないでいいのでゆっくり待ってます！ (2022年5月16日 10時) (
レス) @page50 id: db608c2c8e (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん(プロフ) - 更新再開してくださって本当に本当に嬉しいです！！続きが読めることが幸せでしかないです。これからも作者さんのペースで頑張ってください！ (2022年5月16日 4時) (レス) @page50 id: cf1a17e7dd (このIDを非表示/違反報告)
イブ(プロフ) - 更新ありがとうございます。又楽しみに待ってます。 (2022年5月15日 9時) (レス) @page49 id: d7ecb85cf0 (このIDを非表示/違反報告)
音彩(プロフ) - 更新して頂き有難うございます！私が１番楽しみにしている作品なので、また物語が進んで嬉しいです！お忙しいのかと思いますが、少しずつでいいのでいつか完結してこの物語を読み切る日を楽しみにしています！応援しています！ (2022年5月14日 23時) (レス) @page49 id: 81d02fafe5 (このIDを非表示/違反報告)
kaaa54(プロフ) - 一気に読んでしまいました・・・更新楽しみにしています (2022年4月15日 21時) (レス) @page48 id: fc5b39cb10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまくん
| 作成日時：2021年10月2日 9時
