一夜限りの関係です。 (ページ20)

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仕事が終わり、会社から帰宅する途中一つのカフェが目に入る。

『新しく出来たのかな』

そうボソッと呟くと、少しの興味本位でレンガで造られている建物へと足を運ばせた

「いらっしゃいませー」

お店の中へ入ると、気だるそうな店員さんの声が店中に響き渡る。

置かれていたメニュー表を見ると、ズラっと色んな種類の飲み物が

『カフェモカ一つください』

そんな中一切迷わず大好物なカフェモカを注文

会計を済まし、外の景色がよく見える窓際の席へと腰を下ろすと周りにいるお客さん達が窓の外を見て騒いだ

なんだろう…？

つられて私も外を見ると、粉っぽくて小麦粉みたいな白い雪がゆっくりと降っていた

『わー、綺麗…』

そういえば、あの時もそうだ。

あの人に告白をされた時も今と同じように真っ白い雪が降っていたっけ

「お待たせしましたー、カフェモカです」

昔の出来事を頭の中で考えていると、我に返すよう丁度よく店員さんがカフェモカを机に置く

熱いんだろうな、分かっていてもつい、伸びてしまう手

ふうふうと息で冷ませば、少しずつすする

『美味しい…』

なんてカフェモカを口にしている私はあの人から、まだ離れられてないのだろう。

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