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episode9 ページ9









「……おはようございます」






小さな声で挨拶をした私とは違って







廉「おっはよー」





なんて大声で皆の輪に入っていった。








やがて私の横に座ると

私の手を握って




廉「やっぱり……」





と呟いた。






_____今日もお疲れ!廉。






クラスの中でも目立つ存在の彼女

廉。と馴れ馴れしく呼ばれた永瀬くんは

少し驚いていた。






廉「んふふ、あんがと。

あー、でも今日はミナトちゃんの方が多くて俺すんごい少なかったよ。」






私の横でそんな話、

しないで。







廉「な?ミナトちゃん。」






すると急に顎をクイッとあげられる

四角い眼鏡をスルッととられた瞬間

声をあげることもできず

周りが騒ぐだけだった。






廉「マスクも取るで」





「やめっ……」






_____うわ!東雲ミナトじゃん!可愛いぃ〜







廉「皆の輪に入られんかったんやろ?

このままクラス変わるなんて嫌ちゃう?ほら、」






私の背中をグッと押したあと

彼は耳元でちゃんと言いや?なんて囁いた。







「……東雲ミナトこと、港Aです。」







それからはいろんな人から話しかけられるようになった。





困ることももちろんあるけど

永瀬くんのお陰で

前よりか、少しだけ明るい私がいる。





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作者名:かいとん | 作成日時:2021年9月24日 0時

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