永瀬くんは同級生 Ren.N (ページ20)

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胸を踊らせながら乗り込んだのは永瀬くんの隣

鼻を掠めるパイナップルの匂い

廉「よし、出発！ミナトちゃん足速いんやろ？

紅白リレー、頑張ってな！」

「……最近はあんまり走ってないから、どうかな。」

ずっと陸上部に勧誘はされているんだけど

やっぱり仕事仕事でいつ行けるかわかんないのになって。

横にいる彼は

学年のリレーと部活対抗リレーのみに出場する。

いいなぁ、気が楽で。

私は正直、

運動会や体育祭に参加したことが2回しかない

保育園のときも中々行けなくて

今回は親も喜んでいた。

足が速いのは事実なんだけど

ちょっと怖い、かな。

　

廉「ミナトちゃんなら大丈夫やろ、」

「根拠、なくない？」

廉「こんだけ芸能界で生きてきたんやで？」

それだけを理由に大丈夫だ、なんて言ってみたい

永瀬くんの憧れるところ、

肝心なところがちょっと能天気なところ。

廉「……んな顔すんなって、辛気臭いで。」

時には冷たいこともあるけど

根は誰よりも暖かい。

「そうだね、ありがとう」

きっと、なんもしてないって言う

だけど、

彼は私を認めてくれるひとりだから。

廉「俺、なんもやってへんけど」

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