宇佐美しか知らない (ページ6)

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＊翌朝＊

月島「へいたーい前へ！」

ザッザッザッザッ…

月島さんの掛け声で一斉に兵隊が動き出す

尾形は僕の隣でテンポよく足を動かしている

月島「右向け右！」

ザッ…

尾形「……」

宇佐美「……」

月島「これより、合格が決定した上等兵を点呼する！なお引き続き上等兵として配属される者も点呼する。返事をして敬礼しろ！」

一同「はい！」

月島「一条泰知(いちじょうやすとも)」

一条「はい！」

月島「宇佐美一馬 (かずま)」

宇佐美「はい！」

月島「尾形百之助」

尾形「はい！」

月島「谷山大志(たにやまだいし)」

谷山「はい！」

月島「槙野頼朝(まきのよりとも)」

槙野「はい！」

月島「松原新之助(まつばらしんのすけ)」

松原「はい！」

月島「若林誠(わかばやしまこと)」

若林「はい！」

月島「以上7名！」

今期は7人か…多い方だな。誰も降格しなかったみたいだし

月島「続いて一等卒！」

相変わらず野間たちは一等卒どまりか…笑

チラッと上等兵合格者の顔を見ると、みんな年下のようだった

宇佐美「…ふぅ…」

多分僕が一番年上かな？

嫌だな～なんか

伍長になるともう30代以上しかおらず、あと何年上等兵をすることになるのかと思うと嫌になる

宇佐美「古兵にはなりたくないね～」ボソッ

一条「ん？何か言いましたか？」

宇佐美「あ、何でもないよ」

月島「以上24名！続いて二等卒！」

＊

ガチャッ…ズダァァァン

宇佐美「……すっげぇ…」

あたり一面みんな静かになる

尾形の放った弾が、5発全て的のど真ん中に当たったのだ

若林「銃弾跡…重なってるし…」

松原「す、すごい…」

月島「大したもんだな。あんなの一等伍長でも無理だぞ」

一条「月島さん」

見回りに来た月島さんは見慣れない看護婦を連れていた

月島「今日から新しい看護婦が入って来たんだが、紹介が遅れてしまってな。ちょっといいか」

宇佐美「はい、全然大丈夫ですよ」

月島「すまないな。じゃあ挨拶して」

月島さんに促され、ちょこちょこと出て来たのは可愛らしい子だった

「はじめまして、今日から第七師団上等兵看護担当になりました、代々木Aです(よよぎA)よろしくお願いします」

ペコッと頭を下げる代々木さん

月島「じゃあ今からここで待機して、怪我人や病人が出たらすぐ対応してくれ」

「はい」