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珈琲に角砂糖を落とす相沢君の整った顔を見つめながら、私はこの上ない幸せな気持ちで満たされていた。やっぱり彼に出会えてよかった。傍に置いてもらえて本当に良かった。
「あいつは僕のこと、たった一人の友達だと思ってるみたいだけど。僕には獲物の一人としか思えないよ」
「…かわいそうですね、上村君…」
沈む夕日を窓越しにぼんやり見つめながら私がそう言うと、彼はまた浅く溜め息をついた。
「同情出来るだけ、お前の方が余程心が綺麗だよ」
───私の方が心が綺麗。本当にそうだろうか。相沢君の異常な性格を好意的に思っているのだから、私も同じくらい気が狂っているように思える。
死体遺棄の手伝いをした時点で私は同罪であり、逃げられない。心すら囚われている。彼から離れることは物理的にも精神的にも、完全に不可能だと思った。
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ポエム(プロフ) - 【お知らせ】登場人物イラスト、世界観イラスト更新しました。 (2019年3月26日 16時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - あうんさん» ありがとうございます!!気に入ってもらえて嬉しいです…!更新頑張りますね!! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
あうん(プロフ) - ヤバイ…どストライクすぎます!あんずちゃんの狂った感じがたまらないです!更新応援してます! (2018年10月31日 6時) (レス) id: 8621d19bdc (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!!更新頑張ります^^ (2018年10月13日 7時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 読みやすいし面白いです!応援してます! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 7f2ddeb6c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポエム | 作成日時:2017年10月21日 9時