儚き天使【賢者の石】 (ページ9)

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翌日、医務室から帰ってきたAに最初に話かけたのは、ドラコではなくパンジーだった。

「A！体調はどう？」

『ありがとうパンジー、もう元気よ』

談話室にいた寮生は、あの女子良く話かけたな、と少し感心していた。

あんなに容易くAに話しかけるほど、メンタルが鋼の蛇寮生は少ないのだ。

「A？熱は下がったのか？」

談話室に降りてきたドラコは、Aとパンジーが話していることに驚いていたが、気にせず話かけた。

『えぇ、昨日に比べるとだいぶ楽なの』

「じゃあ授業にも出られるわよね、一緒に教室へ行きましょう？」

「パンジー、悪いがAは僕と一緒に…」

「ねぇA、いいでしょ？」

『…ドラコ、3人で行きましょう』

まさか、人見知りのAが了解するとは思っていなかったのか、ドラコは驚いた様子で幼馴染を見た。

Aは、面倒ごとにしたくないので了解しただけだった。

それに対して、満足そうなパンジーは、Aの腕を引き女子寮へ上がっていった。

ドラコは呆然と2人が昇った階段をずっと見つめていたが、ハッとすると慌ててに授業の準備をしに自室へ戻っていった。