儚き天使【賢者の石】 (ページ7)

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「……あら？」

Aが目を覚ましたのは、お昼頃だった。

Aには、朝起きてからの記憶がない。

そして、何故医務室のベットで寝ているのかも分からなかった。

マダム・ポンフリーを呼ぼうとカーテンを開けると、そこには今カーテンを開けようとしていたドラコが驚いた顔で立っていた。

「え、A！もう大丈夫なのか？」

マダム・ポンフリーも起きているとは思わなかったのか、すぐにベッドの側に来て、体調確認をし始めた。

「異常はないですが、まだ熱は下がりきってないようですね。」

ドラコは心配そうにAを見つめていたが、本人はケロッとした顔をしていた。

微熱なんて毎日のようにあるのだ、もう慣れている。

マダム・ポンフリーは、自分の仕事に戻っていった。

『それで、ドラコは何故ここに？』

「あら、私もいるわよ」

いかにも気の強そうな女の子が、カーテンの影から現れた。

ドラコはウンザリと言うように少女を見つめていたが、大して気にしていないようだった。

「私はパンジー・パーキンソン。貴方のことは色んな人から聞いていたけれど、本当に美人なのね。」

パグのような愛らしい顔をしているパンジーという名の少女は、興味津々でAの顔をじろじろ見ている。

どうやら同じスリザリン生のようだ。

『初めまして、Ms.パーキンソン。』

「名前でいいわよ」

『ではパンジー。貴女は何故ここに？』

棘のある言い方も気にせず、そのままAは話し続ける。

「ドラコについてきたのよ。ドラコってば、午前中、全然授業に集中してなかったんだから」

「なっ！そんなことない！」

ドラコは、顔を真っ赤にしてすぐに反論した。

しかし、パンジーの言葉を正しく理解しなかったAは、勘違いをした。

『じゃあ、ドラコは体調が悪かったから、医務室へ来たのね』

ドラコは、ばれてなくて嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちになった。