儚き天使【賢者の石】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:23 hit、合計:23,301 hit

3 ページ3

列車が止まり、独特な訛りのある大男が新入生を誘導している。

ドラコとAは、この人混みの中でも離れないようにしっかり手を繋いでいた。

手を繋いでいるだけでも目立つのに、今にも消えてしまいそうな白い肌や、紅を差したような赤い唇、傷みを知らない綺麗な髪、簡単に言うと超絶美少女のAは、この人数の中でも目立ち、注目されていた。

ドラコ達と一緒に船に乗り込むと、隣の船にはハリー達が乗っていた。

ドラコは話したくない様子だったが、そんなことお構いなしにAは声を掛けた。

『先程は自己紹介をせずに戻ってしまい、ごめんなさい。私、A・ブラウンと言います。』

実は、名前を名乗らずに別れてしまった事をずっと気にしていたらしかった。

ハリー達は、一瞬ポカンとしたが慌てて自分達も自己紹介を始めた。

「僕はハリー、よろしくね」

「…僕はロンだよ」

「私、ハーマイオニーって言うの。ねぇA、同い年なのに何でそんなにかしこまっているの？」

男子2人は、Aの後ろからの殺気から、すぐに逃げたかったが、なんせ船の上、どうすることもできなかった。

『初対面の方への礼儀と言いますか、急に馴れ馴れしくするのはどうかと思っているので』

ハリーは、この子は本当にドラコの友達だろうかと疑った。

なんせ、一番馴れ馴れしく、しかも上から目線で話しかけてきたのはドラコだったからだ。

ハーマイオニーは、心当たりがあったのか少し顔を赤くしたが、すぐにいつも通りに話し続けた。

「そうなの、でも、私にはそんなかしこまらなくてもいいわ。私、貴女と友達になりたいの。」