78話 ページ31
現れ出たのは、赤毛の大きな人形だった
まるで手作りのような……どこか恐怖を感じられる
この出来事に巻込まれた一般市民は恐怖のあまり叫び乍ら一斉に外に繋がる扉に向かって走って行った
「あっ、ただしそのドアから出たら部屋の中のことは忘れちゃうわよ?よろしくて?」
こんなの忘れた方が良いに決まってるだろ
出来るなら私も今すぐ出て忘れたい
そして残ったのは、三人だけになった
「……此処は危険です。逃げた方が佳い」
「女の子を捜して居るんだ」
折角心配して(な訳無いけども)云ってるのに女の子捜すから残るとか……
「天使の様に可愛い女の子なのだよ。何処かで見なかったかな」
「いえ……残念乍ら」
「エリスちゃんと云う名でね、もう目に入れても痛くない位愛らしいのだよ!あ、本当に入れたら少し痛かったがね。兎に角この娘と逸れて私はもう気が気で無くって……」
「……」
「あの扉の向こうに居るかも知れない。若しそうなら今逃げたら私は一生後悔する。だから、私も残るよ」
「……判りました」
あんたの異能だろ
話が終わったのが判ったのか、モンゴメリはルールの説明をし始めた
ルールは単純
アンと追いかけっこをして捕まったら此方の負け
捕まる前に鍵を使用して扉を開けたら此方の勝ち
「それで、参加されるのは誰?」
「二人同時でも良いのか?」
「勿論よろしくってよ!お遊戯はみんなの方が楽しいもの!」
最後に暴力禁止と彼女は云った
「準備はよろしくて?」
「ああ」
谷崎さんが鍵を掴んだ瞬間走り出す。と同時に背中に変な寒気が通った
「ひとりめ」
「っ!」
「捕まえた☆」
後ろを振り向けば、谷崎さんはもうアンの手の中
そして更に無数の手が伸び、谷崎さんを他の社員が捕まっている場所に引き摺り込んでいった
「……」
ルール は 単純なんだけどね
戦いは単純じゃないみたいだ
此処まで来たら原作が変わらない事を祈り乍ら逃げるしかない
「またお友達が増えちゃったわ!嬉しいわね、アン!なぁに?まだ欲しいの?それじゃあ……」
「ッ!」
私が唯一出来る異能の発動
脚だけを虎化して上に跳ぶ。そして天井にぶら下がる布を掴みブランコの要領で布を揺らし、手から逃げる
上手い工合に手を離して壁に足の爪を立て、更にその壁を蹴り床に着地する
別に私としては捕まって良いんだけど
それは君が許さないんだろう?
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時