65話 ページ17
「そういえばさ」
「完全に話を逸らしましたね」
悩みに悩んだ挙句、太宰さんは話を逸らした
もうそれは清々しいほどの笑顔で
「A……」
「!」
「って誰だい?」
先刻の仕返しか、はたまた普通の疑問か
それとも核心を突きに来たのか……
だから厭だったんだよ、この人と一対一で喋るの
「A……?誰ですかそれ。太宰さんの彼女ですか?」
「乱歩さんがずっと連呼してたじゃないか」
あの時、聞いてたのか
扉の奥に居たのは見えたけど、聞いてるとは思っていなかった
「君の事?」
「な、何云ってるんですか!僕は中島敦で」
「本当だ、少し反応が遅れてる」
「え?」
「真逆あのチビの云った事がこんなにも有力だなんて……なんかムカつく」
ぶすっと不服そうな顔をして太宰さんはそんな事を口にした
その後に此方に手を伸ばして腕を掴んできた
「だ、だだだ太宰さん?この腕は……?」
「まるで別人………確かにそんな気がするから更にムカつく」
マジで巫山戯んな中原さん
何口滑らせてんだよ。滑らせるにも程があるだろ
つか凄く怖い
太宰さんが氷点下の冷たい目で笑い乍らゆっくりと顔を上げて目を覗いてくる
心臓を素手で直接握られた気分だ
「太宰さん……」
「んー?」
「怖い……です」
「……え?」
「それに何ですか、無自覚ですか。目が…目が凄く冷たい、です!それに先刻から云ってるその情報源の中原さんと何楽しくお喋りしてるんですか!仲良しですか!」
「え、ちょ……落ち着いて敦く……がふっ!?」
掴まれた腕を自分の方に引き寄せて太宰さんの顎下を頭突く
もう顎が中の人みたいに成ればいいんだ
顎を抑えて悶える太宰さんを避けて医務室から出て安全地帯を目指す
'
にしても、これはかなりの死活問題だ
反応が遅れてる?
まるで別人?
しかもそれが初対面の人間にバレている。かも知れないという事だろ?
まぁマフィアの幹部という中々凄い人だから感付いて当然という理由もあるが、それでもマズい
私が舐めていたのか、相手が凄すぎたのか
それとも両者か
否、野生の勘だ。きっとそうだ
酔っ払いの思考なんて宛にならない……と信じたいが、太宰さんはなんかもう確信してるっぽい顔してたし
私と敦は違う人間
そりゃ違いが自ずと出てくるだろうが……
「乱歩さぁぁん!」
「あ、お早う。どうし」
「御相談が!!」
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時