【銀魂】かっこよく生きる為の方法

先は暗し ページ9

「ーーーてことで、お世話になります・・」


目の前であんぐり面を晒しているメガネくんと
チャイナコスプレの少女に頭を下げたのは私。

横で鼻に指を突っ込んでいるのが現在地の家主、
坂田銀時だ。




(ーークッソゥ・・、結局こうなるのか、)



「土方さんのポケットマネーから謝礼金は
出させてもらうんで」なんていう破壊王子の囁きに
即決した坂田さんは、上機嫌で私の護衛を引き受けたのだった。そして____、

やってきたのは、万事屋なる坂田さんの職の拠点である。怪しげな商売だとは思っていたが、従業員が
子供だけというのはいよいよ犯罪臭がする。


・・いやそれより何より、今、坂田さんと
過ごす時間を増やすことに対して抵抗があるのだ。





(・・我ながら意識しすぎだとは思うけど、)



私は多分、いやほぼ確実に、
ーーーこの男に惚れてしまっているらしい

先日自覚したばかりの気持ち。まだ何の準備も
覚悟もないまま一つ屋根の下、布団を並べて眠るなんて、ハードルを一つも二つも飛び越えている。





「・・えっと、つまり銀さんが護衛に任命されて」

「その娘っ子がしばらくうちに
住むってことアルカ」

「娘っ子ってあなたね」



そっちのが若いでしょ。なんて、そんなことより。

まあ、状況の認識はあながち間違ってない。





「そういうことだ。そのかわり、護衛を務め上げた暁には、真選組のクソヤローどもからがっぽり
謝礼金もぎ取るからな」

「合点承知ヨ。よろしくネ、餌」
「え、この子いま餌って言った？」


餌ってつまり、がっぽり謝礼金もぎ取るための
餌ってことですか。親切心を取り繕おうとも
しないこのチャイナちゃんと仲良くなる秘訣を
教えてほしい。




「神楽ちゃん！失礼だよ！・・すみません。
僕、志村新八っていいます」

「あ、ご丁寧にどうも・・」

「餌は餌アル。餌だって最初から自分のこと餌だって思ってた方がいざって時に傷つかなくてすむヨ」

「お嬢ちゃん、餌って思われた時点で多少傷ついてるんだよね既に」

「す、すみませんAさん」




この新八くんとやらはフォロー役なのか。
よかった。かろうじて一人はまともそうだ。





「お前ら、仲良くできそうだな」

「・・・何を見てそう思ったの？」

「大丈夫だ。女ってのは手相見てやりゃ
大概落ちる。お前得意だろ？」

「カウンセラーは占い師じゃありませんが？」




先は暗し。

稼働→←堕落の見本

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す