【銀魂】かっこよく生きる為の方法

ない ページ5

赤いランプを眺めながら、警察と助手のやりとりをぼんやりと耳に入れる。

やってきたのは、泣く子も黙る真選組である。
黒服に身を包み、帯刀した彼らは、時折テレビで
見かける時よりも迫力があった。


問題児多数の呼び声も高い真選組であるが、
今回うちに駆けつけてくれたのは、その中でも
破壊王子と謳われるおっそろしい青年だった。
すでに荒らされた室内だが、バズーカ撃ち込まれたら修正の余地がない。

争いごとを好まない私は、すぐにだんまりの体制を
とり、説明を助手に全力で投げた。




「ーーんじゃ、心当たりはねェんですね」

「ええ、全く」



手帳になにやら書き終えた青年は、女子なら誰もが
羨むぱっちりおめめを、私に向けた。




「で、あんたがここの代表ですかィ」

「・・・・ハイ、そーです」

「ありゃ、ひょっとして警戒してます？ひでェや。
俺ァ、ナイーブなんでィ」


「・・ないーぶ」



ナイーブって何だっけ。
駅をバズーカで破壊したり、店をバズーカで
破壊したり、道端でバズーカを発射したりする奴の
事を言うんだっけ。

・・・ナイーブってバズーカの別称だっけ。


新聞の一面を飾る破壊王子である。
警戒するに越したことはない。




「ひとまず、営業は一時休止ってことで
お願いしまさァ。犯人の目的がわからないうちは、
対策のしようもねェんで」

「まじすか」

「襲われてェなら話は別ですが」



襲われたくはない。けど休止もなんだかなぁ。
その分悩み多き相談者たちはどこを頼ればいいんだ

ーーーあ、そうだ。こんな時こそ、




「助手、何か手はないか！」

「ないです」

「ないのかよ！！」



いつも優秀で聡明な助手であれば、妙案をお持ちかと思ったのに。今日は体調でも悪いんだろうか。




「まあそういうことなんで、早期逮捕を望むってんなら相応の手がかりを提示してほしいですねィ」

「なんでこの人上から目線なんだろう」






(手がかり、かぁ・・)




とは言ってもここまでぐちゃぐちゃにされては
どうしようもない。

カルテだって、私の普段のアバウト管理が祟って、
一つ盗まれていたとしてもわからないだろう。

気休めに、もう一度ぐるりと室内を見渡してみる。
ふと、壁にかかるハンガーに目が止まった。









(ーーー・・あれ？)





ゾクリと悪寒が駆け巡る。

「どうかしましたか？」と問いかけてくる助手に「ない、」と返事をした声が少し震えた。









「ーーー私の白衣、ないかも」

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