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スパイラル ページ11

いつの間にやら、暗くなってしまった江戸の町。
見慣れた扉が、ーーなんだか、朝の騒動のせいで、えらく久しぶりに感じてしまう。




「それじゃ、ここで待っててもらえる?」

「・・おう」


少し心配げな表情を見せた坂田さんに
小さく会釈する。ーー確か、化粧棚の上に
置きっぱなしだった気がする。

気温が高い今日、ほぼ一日締め切っていた室内は、
ムワンとした熱気であふれていた。


七畳ほどのこじんまりした部屋であるが、
住み心地としては悪くない。この広くも狭くもない
感じがいいのである。

進み慣れた部屋の中。化粧棚にたどり着いた私は
無造作に置かれた物たちの中から、例のラブレターを探した。・・のだが、




「ーーあれ?ない・・」


朝寝坊しがちな私の化粧棚は急いで
支度をする過程で荒れているが。



(・・おかしい)



なんだか、嫌な予感がする。

そう悟った瞬間、冷や汗が首すじを伝った。
鼓動が早くなる。一度疑えば、全てが怪しく見えてくるというのは人間の思考原理であるが。



(なんか、化粧棚の上の配置が、今日家を出た時と
違う気がする)



カウンセラーともあろう者が、そのスパイラルに
嵌るとは情けない話。ーーだめだ。とっとと目的を達成して退散しよう。

キョロキョロと周りを見渡す。
そうだ、慌てた拍子に落としてしまったのだろう。
きっとそうに違いない。深く息を吸った時___、









「ーーー探しものは、これかい?」
「ひっ・・!?」





粘ついた声が、首すじを撫でる。
背中にぴたりと張り付いたのが、人であることは
理解できた。腰に巻きついたものが、人の腕だと
いうことも理解できた。が、同時に混乱を抱く。

だって・・、だっておかしいじゃないか。



・・なんで、うちに私以外の人間がいるの?





「ひどいなあ。僕、ずっと待ってたのに。
今日は暑いから、部屋の中は蒸し風呂みたいだ」



部屋を覆っていた熱気の一部が、この男のものだと
いうことに、背筋が凍る。

肌に当たる吐息が気持ち悪い。ーー声が出ない。


危険な目にあったら大声で助けを呼べ。そんなの、
小学校で習うことだけど、実際窮地に陥った時は、
恐怖で声なんて出せないんだってことがわかった。

冷静な脳内が嫌になる。もっと狂っちまえば、
最良のタガが外れて壊れたラジオのように勝手に
叫べるかもしれないのに。





(ーーー坂田さん・・ッ、)



ねっとり撫で回す手が、胸元をまさぐる。

安堵→←稼働



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設定キーワード:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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紫蘭(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 夢主ちゃんに向けられる銀さんの言葉が何故だか私にまで響いてきます…笑笑 更新等大変かもしれませんが、リアル優先で頑張ってくださいね!! 応援しております!! (3月31日 12時) (レス) id: 6053f0b386 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年3月31日 12時

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