刺激的な ページ3
全ての診察を終えた私は、力なくデスクに突っ伏した。
「・・これはまずい」
ぽつりとつぶやきを落とした私に、助手は無遠慮に
眉をしかめた。その形相たるやもう手持ちのカルテで私の頭をしばかんとする勢いである。
「何がまずいんですか。Aさんの今日のポンコツぶりのことを言ってるなら既知の事実ですが」
「トンコツかぁ。美味いよね」
「ポンコツですね」
「ねえ、これから私はどうなるのかな」
「死ぬんじゃないですか」
何がまずいって、昨日の展開だ。
私の長年のしがらみをいとも簡単に解決したかと
思うと、ついでにワゴンからセール品を掴むように
私の心をひょいと拾い去っていったのだ。
できる男だなんて1ミリも思ったことなかったけど
もしやヤリ手なのだろうか。プレイボーイだったんだろうか。普段とのギャップにやられちゃった的な
女子が大勢いたりいなかったりするんだろうか。
「とりあえず、そのカルテ整理終えてから
死んでくださいね」
「今日は一段と辛辣だな助手よ」
「仕事できるバカならまだしも、無能なバカは
いないほうがいいですからね」
「つまり私はいつでもどこでもバカってことかぁ」
「そういうことですね」
彼氏と喧嘩でもしたんだろうか。
助手の機嫌がなんとも悪い。
「ーーーああ、そういえば、ラブレターの主は
見つかったんですか？」
「・・え？」
「少し前に届いてたあなた宛のラブレターですよ」
「・・・あぁ、たしかにそんなことが、あったね」
忘れてたんですか。やっぱりポンコツですね、と
呆れる助手。ーーいやもう今はラブレターで
テンション上げてる暇ないんだよね。
手元に放られたカルテをめくりながら、
ため息を漏らす。だめだ。調子が出ない。
続くように助手からもれたため息。
「仕事になりませんね」と諦め混じりの言葉。
とうとう捨てられてしまうのか私は。
どうしよう。助手がいなくなったら誰が営業の
準備や、相談室の整理整頓をするというんだ。
私には無理だ。アイキャンノット。
つまるところ、引き止めねばならない場面だが、
これまたアイキャンノットである。
「助手ぅ、」
「カルテの整理してから帰ってくださいね。
ではお疲れ様でした」
「鬼ぃ、」
ばたん、容赦無く扉が閉まり、
相談室は静寂に包まれた。
「・・平凡な日々が、続くはずだったのにな」
最近は、刺激がありすぎる。
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» いつもありがとうございますっ！最後まで気長にお付き合いくださり、光栄の極みです！新作も出せるかと思いますので、また暇なときに足を運んでみてください！ (2019年8月25日 8時) (
レス) id: cae178a2c8 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 更紗さん» ありがとうございました！なんとか完結です…！ちぐはぐな部分もあったと思いますが、読んでくださり、ありがとうございました！ (2019年8月25日 8時) (レス) id: cae178a2c8 (このIDを非表示/違反報告)
更紗 - 完結おめでとうございます！銀さんと夢主ちゃんの関係性が独特ながらとても素敵で、何度読み返しても飽きませんでした！更新本当にお疲れ様でした (2019年8月11日 18時) (レス) id: dd67e5be9c (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - シュシュ☆☆さん» 少し早いですが、続編おめでとうございます!! シュシュさんのペースで頑張ってください!! 私はいつでも暇なので笑笑 (2019年8月5日 14時) (レス) id: 6053f0b386 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます！ようやく続編です…！気長に待ってくださり、本当に感謝です！少しずつですが、きちんと完結させたいと思います！ (2019年8月4日 13時) (レス) id: cae178a2c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュシュ☆☆
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年3月31日 12時
