【銀魂】かっこよく生きる為の方法

他人事 ページ13

つい今朝見たばかりの赤い光が、またやってきた。不思議な気分だ。時間が巻き戻ったみたい。

混乱したまま、警察にやってきた私は、
味気ない部屋をぐるりと見渡して。

本当に怒涛の１日だ、と、どこか他人事のように
思ってしまう。



「ーーいやあ、それにしても災難でしたねィ」



これまた今朝ぶりの破壊王子は、明らかに口だけの
労いを吐き出して大げさに肩をすくめた。



「俺も二度も昼寝を邪魔されて
大変だったわけですが」

「一生寝とけ」



隣に立つ坂田さんからツッコミが入った。
全くもってその通りだ。
昼寝ってつまりサボりだよね。
それと私のストーカー事件、重大なのは
どっちだって話だ。




「先ほど聞いた例のラブレターですがね、案の定、
あの男が送り主でした。今朝方職場を荒らしたのも
あんたの白衣盗んだのも奴です」

「・・そうですか」

「聴取じゃ、延々とあんたのこと褒めてましたよ。
まあ要するに惚れちまったんでさァね。優しく話を聞いてくれたのはあんただけだったってよ。
犯行動機としては、手紙に返事がなかったことが
直接の原因らしいぜ」



破壊王子の話を聞きながら、肩を落とす。

少しでも楽になってほしいと思って、
相談者の話を聞いている。
それがかえっていけない方向に転んでしまうことも
あるんだ。そんなこと、わかってたはずなのに、
いざこうなってしまうと、正直ヘコむ。




「まさか本当にストーカーだったとはな。
ぼったくられた元客の腹いせだと思ったのによ」

「・・・まだストーカー以外の可能性を
疑ってたの？あとぼったくってない」

「現在進行系で疑ってらァ」

「意味不明」




犯人捕まって、犯行を自供してるんだから、
これ以上疑う余地なくないですか？

ここまできても労いも心配もないこの男に、
苛立ちは募るばかりである。
子供の頃に道徳の授業を受けてこなかったのか。


ーーまあひとまず、これで一段落である。
安堵を込めたため息を落とした時、・・ばたん、
派手な音と共に、控え室の扉が開いた。






「Aさん！無事ですか！？」

「じょ、助手ぅ・・」



おお、懐かしの助手様。我が右腕よ。
思わず涙が出そうになる。やはり見慣れた顔は
いいもん・・あれ？




「・・・今日なんか薄くない？」
「ノーメイクです当たり前でしょう」



いざ就寝しようときた矢先に警察から電話が、と。
常に整えられているはずの身なりを乱してまで
駆けつけてくれたんだと思ったら、また泣けてきた

株→←安堵

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