【銀魂】難あり波もあり

後ろ姿 ページ25

ー銀時サイドー





「ーーいらっしゃい銀さん。
突然お呼びたてしてすみません」

「いや、」



そんな会話を交わす午後１時。
俺は、依頼で何度となくやってきた家の前にいた

見慣れた姿で出てきたそいつは、申し訳なさそうな
顔をしたが、「さあ入ってください」と。
靴を脱ぐ俺に、Aは再び遠慮がちな声を発した







「・・実は、会ってほしい人がいて」



ーーー思わず、動作が止まる。
俺に、"会ってほしい人"

確信が持てた。ーーあいつだ。
あの時こいつの隣を歩いていたあの男だ。となると
いよいよ最悪な展開説が有力になってきた。
冗談じゃねーよ。新彼氏の前で別れ話すんの？



リビングに近づいていくにつれて、心拍が上がる。
そこまで長い廊下でもないんだが、今の状況では
螺旋階段でも降ってる気分だ。上か下かすら
わからねェ迷宮に迷い込んだ気分だ。目が回りそう
少し酔ってきた。





「銀さん、今日顔色悪いですね」

「へ！？そう！？」

「大丈夫ですか？二日酔いはだめですよ」

「ア、ハイ」



まさか、酒を入れまくったと思われてんのか。
体調不良の心配ではなく？日頃の行いによるものか
・・なんて、もはや今は関係ない。どーでもいい。
そんなことをグダグダと考えている間に、


ーーーついに、ドアノブにAの手がかかった。



見慣れたリビング。バラエティ番組でもやっている
のだろう。大きめのテレビから、タレントの声が
聞こえる。そいつが普段まとっている匂いが
一際強く感じられるそこに、足を踏み入れた。

・・そして






「銀さんが来てくれたよ」



そんなAの一声に反応するように、
ソファに座っていた後ろ姿が、立ち上がった。

対面→←耐え抜け

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