【銀魂】難あり波もあり

物件管理 ページ17

ジュボゴゴとよくわからない音を立てながら、黄色い丼の中身が消えていく。その様子を横目に流す一方、私は気が気ではない。

なんたって、沖田さんがいつ降臨するやら
想像がつかないからだ。非番を人質にとられている
とはいえ、何かしらの手段で逃げ出してきそうじゃ
ないかあの男は。





「・・んな警戒されてちゃ飯が不味くなるんだが」

「え！」




どうにも、その警戒がお客様である土方さんに
漏れてしまっていたらしい。なんたる不覚。
それは失礼なことを、と言いかけて止まった。

そもそも、マヨネーズ一本を豪快に白米へぶちまけたその丼は、生まれた時から不味いという認識で
間違ってはいないだろうか。






「・・ま、あの野郎を警戒することに関しては
異論はねーが」

「信用ないんですね」

「当たり前ェだろ」




呆れた、というか、やつれた様子の土方さん。
やはり普段からの悪行は他人に影響を及ぼす類の
ものらしい。特にこの人は命を狙われている。

私ならすでにストレス死しているかもしれない。






「特にあんたは、しっかりガード固めとけよ」

「・・え？」

「あいつにとっちゃいいオモチャだろうからな」

「オモチャにされてるんですか！？」

「あぁ。こっちも巻き込み事故かまされることが
あんだよ。面倒だから未然に防げ」


「・・止めてはくれないんですね」

「ガキの遊びに構ってられるほど暇じゃねェ」




認めたくはないけど、オモチャにされてる自覚は
ないことはない。この人も巻き込み事故なんて
そりゃ迷惑極まりないだろうけれど、
沖田さんはおたくの物件なのだからそこは取り締まって欲しい。真選組こそ、隊士から一般市民への
危害を未然に防ごうとするべきだ。


・・なんてブツブツ内心唱えつつ、表で苦笑い。





「沖田さんを止められる人っていないんですか」

「少なくとも地球上には存在しねーだろうな」

「なるほど、納得です」




目をつけられたら終わりというわけだ。

諦めろ、と軽く言い放った土方さんは、
一気に丼の中身をかきこんだ。

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